ゴルフで「股関節に乗れ」と言われて股関節を痛めた人へ ─ 指示は正しい、でも身体が追いついていない【メディカルゴルフ】

「『股関節に乗れ』『左にしっかり乗って』と言われて、その通り体重を乗せたら、股関節が痛くなった」
「乗ろうとすると、股関節の前や鼠径部(そけいぶ)が詰まる・引っかかる」
「言われた通りにやっているのに、なぜ痛むのか分からない」

─ こうした声を、当院(東大阪のMitz BestPerformance)では本当によくお聞きします。

先に結論をお伝えします。「股関節に乗れ」という指示そのものは、正しい。間違っていません。問題は、「乗る」ための準備ができていない身体で、体重だけを乗せてしまっていること。準備のない関節に荷重が集中すると、痛みが出ます。準備さえ整えば、「乗る」は痛みなくできるようになります。


30秒で結論

  • 「股関節に乗れ」は正しいアドバイス。プロの回転も、リード股関節(右打ちなら左)に乗ることで生まれている(腰椎と股関節の回旋は強く連動/Mun et al. 2015)。
  • でも「乗る」とは、ただ体重を移すことではない。股関節を受け皿に“はめて”、内旋(内側へのねじれ)を伴いながら安定して支えること。
  • 準備(お尻の安定・骨格ポジション・内旋のコントロール)がないまま乗ると、速い内旋(スイング中は約-227.8度/秒/Gulgin et al. 2009)が関節の前や縁に集中し、詰まり・痛みになる。
  • 「乗れない・痛い」人がやりがちな代償は、腰を反る(→腰痛)/膝が内に入る/外へ流れる(スウェー)
  • 痛みを出さずに乗る条件は ①骨格ポジション(反り腰を直す)②お尻で受け止める ③内旋を操る。条件が揃えば「乗る」は意識しなくても起こる(機能>意識)。
  • 「乗ると痛い」を身体から解決したい方は、東大阪のMitz BestPerformance(true-function.comへ。遠方の方はオンライン評価も。

この記事が答える、よくある質問

  • 「股関節に乗れ」と言われた通りなのに、なぜ痛い?
  • 「乗る」って、本当はどういう状態のこと?
  • 痛みを出さずに乗るには、何から始めればいい?

はじめに ─ アドバイスは正しい。足りないのは「乗れる身体」

ゴルフ上達の現場で「股関節に乗れ」は、とても良いアドバイスです。実際、力強い回転は、リード股関節にしっかり乗って、そこを軸に回ることで生まれます。

ところが、この言葉を受け取った人の身体が「乗れる状態」になっていないと、結果は逆になります。乗ろうとするほど、股関節の前がぶつかり、痛みが出る。これは指示の問題ではなく、身体の準備の問題です。

この記事では、「乗る」の正体(具体)と、痛みを出さずに乗るために何を整えるか(根本)を順に解説します。なお、すでに痛みや引っかかりが強い場合は、先に整形外科で股関節の状態を確認してください。


第1章【具体】─ 「乗る」とは、本当はどういう状態か

「乗る」=体重移動+股関節が“はまる”

多くの人は「乗る」を「左に体重を移す」とだけ理解しています。でも本当の「乗る」は、リード股関節に荷重しながら、股関節が受け皿(骨盤側のソケット)に正しくはまり、適度な内旋を伴って安定して支えること。プロのスイングでは、腰椎と股関節の回旋が強く連動して働きます(相関係数0.81/Mun et al. 2015)。つまり「乗る」は、股関節が回旋の主役を引き受けている状態なのです。

準備がないと、速い内旋が関節の縁に当たる

ダウンスイングからインパクトで、リード股関節は一気に内旋します。そのスピードは非常に速く、約-227.8度/秒に達します(Gulgin et al. 2009)。この速い内旋をお尻と体幹で受け止められないと、力は関節の前や縁(関節唇)に集中し、詰まり感・引っかかり・鋭い痛みとして出ます。

「乗れない・痛い」人の3つの代償

乗る準備がないと、身体は別の場所で帳尻を合わせます(代償)。

  1. 腰を反る:股関節で支えられず、腰の反りで“乗ったつもり”になる → 腰痛の原因
  2. 膝が内に入る:股関節が止められず、膝が内側に崩れる → 膝の痛みの原因
  3. 外へ流れる(スウェー):そもそも乗れず、軸ごと右や左へ流れる → パワーロス+不安定

これらはすべて「乗れない身体」が出すサインです。痛みは、あなたが下手なのではなく、身体の条件が整っていないことの結果なのです。

💡 まとめ:「乗ると痛い」のは、速い内旋を受け止める準備(お尻・骨格ポジション)がないまま、体重だけ乗せているから。


第2章【根本】─ 痛みを出さずに「乗れる身体」を作る順番

「乗るのをやめる」のではなく、「乗っても痛くない身体」を作ります。順番が命です。

ステップ1:骨格ポジションを整える(反り腰を直す)

骨盤が前に倒れすぎている(反り腰)と、股関節の前が常に詰まりやすくなります。息を吐ききって肋骨を締める呼吸で骨盤を起こすと、股関節が受け皿に深くはまり、内旋しても縁に当たりにくくなります。乗る土台は、骨格ポジションから。

ステップ2:お尻(中殿筋・深層外旋筋)で受け止める

速い内旋にブレーキをかけ、股関節を安定させるのがお尻の筋肉です。ここが眠っていると、内旋が止まらず関節任せになります。片脚で骨盤を水平に保つ練習などで、「荷重を受け止めるお尻」を起こします。

ステップ3:股関節の内旋を“自分で操れる”ようにする

内旋は悪者ではありません。コントロールできない内旋が問題なだけ。ゆっくりした内旋・外旋の出し入れで、関節を縁に当てずに動かす感覚を育てると、「乗る」が安全になります。

ステップ4:スイングへ統合する

土台(骨格ポジション)→ 安定(お尻)→ 制御(内旋)が揃うと、「股関節に乗れ」は意識しなくても自然にできるようになります。骨格ポジションが整い、本来働くべき筋肉が働けて初めて、“乗る”という機能が起こる。ここを変えないと、何度乗り方を教わっても痛みは戻ります。

なお、「乗る感覚そのもの」をつかむドリルは、当院の既存記事も参考になります(下の関連記事)。本記事は「乗ると痛い人」が、その手前の身体の準備を整えるための内容です。


自宅でできる簡易セルフチェック(3つ)

痛みが強いときは無理をせず、目安として行ってください。

  1. 片脚荷重チェック:リード脚(右打ちなら左)で立ち、股関節に“はまって支えられる”感覚があるか。腰が反る・股関節の前が詰まる場合は準備不足のサイン。
  2. 股関節内旋チェック:椅子で片足首を反対の膝に乗せ、膝を軽く下へ。詰まる・左右差が大きい側は要注意。
  3. しゃがみ込み:かかとをつけて深くしゃがむ。前が詰まって沈めない場合、はさみ込み傾向の手がかり。

よくある質問(FAQ)

Q. 「股関節に乗れ」は間違ったアドバイスなんですか?
A. いいえ、正しいアドバイスです。問題は乗るための身体の準備。準備が整えば、同じ指示で痛みなく乗れるようになります。

Q. 乗ると股関節の前が詰まります。続けて大丈夫?
A. 詰まり・引っかかりが続く場合は、まず整形外科で関節唇やFAI(はさみ込み)の状態を確認してください。その上で、骨格ポジションとお尻の安定を整えると、詰まりが軽くなることが多いです。

Q. 「乗る感覚」が分かりません。どうすれば?
A. 感覚づくりのドリルは関連記事が参考になります。ただし「乗ると痛い」場合は、感覚練習の前に身体の準備(本記事のステップ)を先に整えるのが安全です。

Q. 東大阪まで通えませんが診てもらえますか?
A. 当院は東大阪市(近鉄・布施駅近く)ですが、遠方の方にはオンラインでの機能評価・運動指導にも対応しています。お問い合わせください。


⚠️ ご注意(免責)

本記事は一般的な機能解剖・運動学の情報提供であり、診断・治療・特定の効果や治癒を保証するものではありません。症状には個人差があり、改善が期待できると報告されている内容もすべての方に当てはまるわけではありません。強い痛み・引っかかり・夜間痛がある場合は医療機関を受診してください。


まとめ

  • 「股関節に乗れ」は正しい。足りないのは「乗れる身体」
  • 「乗る」=体重移動だけでなく、股関節がはまり、内旋を支えて安定すること
  • 準備がないと、速い内旋が関節の前・縁に当たり、詰まり・痛みに。代償で腰や膝も痛める
  • 順番は 骨格ポジション→お尻→内旋コントロール→スイング。条件が揃えば「乗る」は勝手に起こる

なぜ当院か ─ 関節・筋肉・神経まで、スイングも痛みも一気通貫で診る

ゴルフの不調は、スイング理論だけでも、痛みだけの話でもありません。関節(どこが動き、どこが支えるか)・筋肉(どこが働き、どこがサボるか)・神経(どう力を入れ、どう抜くか)が一本につながって、初めて体は本来の働きを取り戻します。

当院(Mitz BestPerformance)は、スイング(パフォーマンス)と痛み(医療)の両方を、機能解剖という同じ土台から一気通貫で評価します。鍼灸・あん摩マッサージ指圧・柔道整復の国家資格3つに、PRI・DNS・FTを重ねているからこそ、「飛ばない」も「痛い」も別々ではなく同じ体の問題として診られます。スイングだけを見るレッスンや、痛みだけを見る一般的な整体・整形外科の「どれか一つ」では届きにくい領域です。


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東大阪の Mitz BestPerformancetrue-function.com)は、鍼灸・あん摩マッサージ指圧・柔道整復の国家資格3つと機能解剖(PRI/DNS)で、「乗れない・乗ると痛い股関節」を評価し、痛みのない荷重とスイングへ再設計します。
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参考文献

  1. Mun et al. 2015(出典
  2. Gulgin et al. 2009(出典

執筆:鈴木密正(はり師・きゅう師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師。Mitz BestPerformance代表、東大阪市)

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