ゴルフで脊柱管狭窄症は悪化する?歩くと足がしびれる人へ|反らさないスイングと続け方を国家資格者が解説

「歩いていると足がしびれてくる。少し休むとまた歩ける」
「狭窄症と言われた。ゴルフはもう無理なのか」
「フィニッシュで腰を反らすと、ズキッと響く」

——この記事は、脊柱管狭窄症と付き合いながら、それでもゴルフを続けたいあなたのための記事です。

30秒で結論

  • 脊柱管狭窄症でも、ゴルフは続けられます。 鍵は「反らさない振り方」と「歩ける体づくり」です。
  • ただし、今のままだと悪化しやすい。 狭窄症は腰を“反らす”と悪化する病気で、ゴルフのフィニッシュはまさに腰を反る動きだからです。
  • これは椎間板ヘルニアと真逆です。ヘルニアは前かがみで悪化、狭窄症は反ると悪化します。
  • 腰は“被害者”です。 本当の原因(加害者)は、回らない股関節と硬い胸椎。これらが動かない人が、その分を腰の“反り”で肩代わりしています。
  • 狭窄症には、運動療法がしっかり効くことが分かっています〔1〕。「手術しかない」ではありません。
  • 手術をした方・高齢の方でも、ゴルフに戻れています。 「年だから」と諦める必要はありません。

この記事が答える質問

  • ゴルフで脊柱管狭窄症は悪化する?
  • 狭窄症でもゴルフは続けていい?
  • 「歩くと足がしびれる」のはなぜ?(間欠性跛行)
  • なぜ腰を“反る”と悪化するのか?
  • 悪化させないスイング・フィニッシュとは?
  • 手術をした/すすめられている人でも、ゴルフに戻れる?

なぜゴルフで脊柱管狭窄症は悪化するのか

まず、脊柱管狭窄症がどういう病気かを、中学生でもわかる言葉で説明します。

背骨の真ん中には、神経が通るトンネル(脊柱管)があります。加齢とともに、骨や靭帯が厚くなったり椎間板が膨らんだりして、このトンネルが狭くなり、中の神経が圧迫される——これが脊柱管狭窄症です。

そして、ここが最重要です。このトンネルは、腰を“反らす”と狭くなり、“前かがみ”になると広がります。 だから狭窄症の人は——

  • 腰を反らすと、しびれ・痛みが悪化する
  • 前かがみになるとになる(自転車には乗れる、カートに寄りかかると楽、というのはこのため)

ゴルフのスイングは、フォロースルーからフィニッシュにかけて、腰を大きく反らせる動きです。つまり、毎スイング、神経のトンネルを自分で狭めにいっている——これが「ゴルフで狭窄症が悪化する」正体です。

脊柱管狭窄症は腰を反ると神経のトンネルが狭まり、前かがみで広がる仕組み。ヘルニアとは真逆
腰を反ると神経のトンネル(脊柱管)は狭まり、前かがみで広がる。ゴルフのフィニッシュは“反り”——だから悪化しやすい

「歩くと足がしびれる」——間欠性跛行とは

狭窄症の代表的なサインが、間欠性跛行(かんけつせいはこう)です。難しい名前ですが、中身はシンプルです。

  • 少し歩くと、足やお尻がしびれ・痛んで歩けなくなる
  • 少し前かがみで休むと、また歩けるようになる
  • これを繰り返す

なぜ「歩く」とダメなのか。歩くとき、人は自然と腰がやや反ります。すると神経のトンネルが狭まり、神経の血流が落ちて、しびれが出るのです。前かがみで休むとトンネルが広がり、回復します。

思い当たる方は、狭窄症のサインかもしれません。 ゴルフのラウンドは数時間の歩行です。後半になるほど足が重く、しびれてくる——それは「体力の問題」ではなく、神経のトンネルが悲鳴を上げているのかもしれません。

※足の力が入らない、尿が出にくい・漏れる、といった症状がある場合は、緊急性が高いことがあります。すぐに医療機関を受診してください。


なぜ腰を反らすのか——腰は“被害者”

「反らさなければいい」と言われても、ゴルフで腰は勝手に反ってしまう。なぜか。ここでも、腰は“被害者”です。

ゴルフのスイングは、本来「股関節」と「胸椎(背中の真ん中の背骨)」でねじり、回すべき動きです。ところが——

① 股関節が回らない・硬い
股関節やお尻が硬いと、骨盤が回りません。すると、回りきれない分を腰の反りで補おうとします。

② 胸椎が回らない・硬い
猫背や肩甲骨まわりの硬さで胸椎が回らないと、フィニッシュで上半身を起こすときに、腰だけが過剰に反ってしまいます。

つまり、上下の「よく動く場所」がサボると、あいだの腰だけが過剰に反らされる。 その反りが、神経のトンネルを狭め、しびれと痛みを生む。だから、腰だけをほぐしても、反りグセの原因(股関節・胸椎)を放置すれば、振るたびにぶり返します。

関連記事:股関節が動かないと腰が反る——痛みの連鎖のメカニズム胸椎が回らないと、上半身の痛みとミスが起きるゴルフ椎間板ヘルニアは悪化する?続けられる?(“前かがみで悪化”のヘルニア編) / ゴルフ坐骨神経痛・お尻から足のしびれ


狭窄症でもゴルフは続けられる——運動療法は効く

「狭窄症=手術しかない」と思い込んでいませんか。それは誤解です。

脊柱管狭窄症に対して、運動療法(正しく体を動かす治療)が、しびれや歩ける距離を改善することが、複数の質の高い研究をまとめた解析で示されています〔1〕。特に効果が報告されているのは、前かがみ方向のストレッチ、体幹(お腹まわり)の筋力、そして自転車こぎなどの有酸素運動です〔1〕。手技療法と運動を組み合わせた多面的なアプローチが、神経性の間欠性跛行に有効とされています〔1〕。

さらに、慢性の腰痛全般に対しても、運動療法が痛みと生活機能を改善することが大規模なまとめ(コクラン・レビュー)で示されています〔2〕。

つまり、「動けないから安静に」ではなく、「正しく動いて、歩ける体に戻す」ことが回復の王道です。やみくもにゴルフをやめる必要はありません。


悪化させないスイングの条件——“反らずに”振る体をつくる

では、どう続けるか。答えは、腰を反らすのをやめ、股関節と胸椎を使って、腰は中間(まっすぐ)のまま振ることです。

ただし落とし穴があります。「腰を反るな」と言われても、股関節と胸椎が硬いままでは、できません。 これは技術(気持ち)ではなく、体の機能(可動性)の問題です。

腰を反らす昔のCフィニッシュ(狭窄症が悪化)と、腰を立てて股関節・胸椎で受ける現代フィニッシュ(腰を守る)の比較
腰を反らす昔ながらのフィニッシュは狭窄症に最悪。腰を立て、股関節と胸椎で受けるフィニッシュなら腰を守れる

守るスイングに必要な3つ

当院では、狭窄症の方のスイング改善を、こう組み立てます。

  1. 股関節に“乗れる”体にする——お尻ともも裏を使い、骨盤をしっかり回す。腰で反らずに済みます。
  2. 胸椎を回るようにする——固まった胸椎を動かし、フィニッシュで上半身を「腰の反り」でなく「胸の回旋」で受ける。
  3. 腹圧で腰をまっすぐ保つ——お腹を内側から張る力(天然のコルセット)で、腰を反らせず中間位に保つ。

昔の指導でよく見た、腰を大きく反らせる「C字フィニッシュ」は、狭窄症にとって最悪です。腰を立て、股関節と胸椎で受ける現代的なフィニッシュへ。これは痛みを防ぐだけでなく、力が逃げない、効率の良いスイングでもあります。

関連記事:ゴルフの“軸ブレ”の正体(股関節+腹圧+胸椎)ゴルフ整体×パーソナルを一つの場所で受ける意味


動き出す0.05秒前——“先回り”の防御を取り戻す

もう一歩、深い話を。私たちが体を動かすとき、手足が動き出すより“先に”、お腹の奥の筋肉が無意識に締まって背骨を守ります。 これをフィードフォワード(先行収縮)と呼びます。脳が「これから動くぞ」と予測し、0.05秒前に土台を固める仕組みです。

これは運動制御の研究で計測されており、腰痛のない人はお腹の奥の筋肉が必ず最初に働くのに対し、腰痛のある人はこの収縮が遅れることが分かっています〔3〕。

動く前にお腹の奥が先に働き背骨を守る仕組み。これが効くと腰を反らさず安定して振れる
動く0.05秒前にお腹の奥が締まって腰を支える。この“先回り”が働くと、腰を反らさず安定して振れる

狭窄症の方にとって、この「先回りの防御」が働く体は、腰を反らさずにまっすぐ支えられる体です。骨格のポジションを整え、腹圧が効く体に戻すことが、しびれの再発予防の土台になります。


ゴルフ復帰・継続のロードマップ

「いつ、どうやって続ければいいのか」。当院が考える道すじです(個人差があります。しびれが強い時期は無理をせず、医療機関の指示を優先してください)。

狭窄症のゴルフ継続ロードマップ。①しびれを抑える→②股関節・胸椎を動かす→③腹圧で腰を立てる→④反らない素振り→⑤コース
狭窄症のゴルフ継続ロードマップ。しびれを抑えるだけで終わらせず、反らずに振れる体にしてから戻す
  1. 症状が強い時期:神経の興奮を抑える。前かがみで楽になる姿勢を活用しつつ、痛みのない範囲で体を動かす〔4〕。
  2. 回復期:加害者(股関節・胸椎)の動きを取り戻す。前かがみ方向のストレッチや体幹運動〔1〕。
  3. 再構築期:腹圧で腰を中間位に保つ感覚を入れる。股関節に乗る、胸椎で回る。
  4. 素振り期:腰を反らさず、股関節・胸椎で回れているかをチェックしながら軽い素振り。
  5. コース復帰:歩ける体・反らない体ができてから。多くの場合、フィニッシュが安定し、ショットの質も上がります。

手術をした方も同じです。手術は「狭くなったトンネル」への対処であって、「腰を反らせてしまう体の使い方」そのものは手術では変わりません。 だからこそ、術後に体の使い方を変えることが、再発を防ぎ、ゴルフに戻る鍵です。


「年だから」と諦めている方へ

狭窄症は、中高年・高齢の方に多い病気です。だからこそ、こう言われがちです。「年だから仕方ない」「もうゴルフは無理」と。

私は、その言葉に反対です。

当院には、腰の手術を2回経験した63歳の競技ゴルファーが来られました。痛みとしびれがひどく、スイングのたびに腰が響き、「もう辞めなければ」と悩まれていました。体を診ると、肘・胸椎・股関節が連鎖的に動かず、その分を腰の反りで補っていた——やはり腰は“被害者”でした。

肘を伸ばし、股関節に乗れるようにし、胸椎を動かして腹圧で腰を支える。それだけで、手術前より飛距離が伸び、ショットも安定。70台前半のスコアで回れるまでに戻られました。 痛みとしびれも消えています。

腰椎を固定する手術をされた方々も、股関節と胸椎を整えることで、「手術をしたのに変わらなかった」という状態から痛みを解消し、ゴルフを続けておられます。年齢は、諦める理由になりません。


手術を勧められている/した人へ

いま手術をすすめられている方、手術後もしびれが残る方へ。率直に申し上げます。

手術を2回した人でも、ゴルフに戻れています。やることをやれば、十分に戻れます。

当院に来られるのは、マッサージ・カイロプラクティック・整体——何をしても変わらなかった方ばかりです。だからこそ言います。どこへ行ってもダメだったなら、一度、どんなものか見に来てください。


よくある質問(FAQ)

Q. ゴルフで脊柱管狭窄症は悪化しますか?
A. 今の振り方のままなら悪化しやすいです。狭窄症は腰を“反らす”と神経のトンネルが狭まる病気で、ゴルフのフィニッシュは腰を反る動きだからです。腰を反らさず股関節・胸椎で振る体に変えれば、続けられます。

Q. ヘルニアと狭窄症は何が違いますか?
A. 真逆です。ヘルニアは前かがみで悪化・反ると楽、狭窄症は反ると悪化・前かがみで楽、になりやすいです。だから対策も逆向きになります。自己判断せず、一度きちんと診てもらうことをおすすめします。

Q. 歩くと足がしびれて休むと治ります。これは何ですか?
A. 「間欠性跛行」という狭窄症の代表的なサインの可能性があります。歩くと腰がやや反って神経のトンネルが狭まり、前かがみで休むと広がって回復するためです。

Q. 狭窄症は手術しかないのでしょうか?
A. いいえ。狭窄症には運動療法がしっかり効くことが研究で示されています。前かがみ方向のストレッチ、体幹の筋力、自転車こぎなどが有効です。まず保存療法を尽くす価値があります。

Q. 「腰を反るな」と言われてもできません。
A. あなたのせいではありません。股関節と胸椎が硬いままでは、腰が代わりに反ってしまうのです。技術の前に、体の可動性を取り戻す必要があります。

Q. 高齢ですが、ゴルフに戻れますか?
A. 戻れます。当院には手術を2回した63歳の競技ゴルファーが、手術前より良いスコアで戻った例があります。年齢は諦める理由になりません。

Q. ラウンドの後半に足が重くなります。対策は?
A. カートに寄りかかる・少し前かがみで休むと楽になります。根本的には、股関節・胸椎を動かし腹圧で腰を支える体づくりが、歩ける距離を伸ばします。

Q. 遠方ですが診てもらえますか?
A. 来院が基本ですが、遠方の方にはオンラインでの相談・指導も対応しています。


おわりに——しびれも飛距離も、根は一つ

脊柱管狭窄症でも、ゴルフは続けられます。鍵は3つ。

  • 狭窄症は“反る”と悪化。ヘルニアとは真逆
  • 腰は“被害者”。本当の原因は、回らない股関節と硬い胸椎
  • 腰を反らさず、股関節と胸椎で振る体に変えれば、しびれも飛距離も変わる

しびれを治すことと、上手く飛ばすことは、同じ「体の使い方」という一本の根からつながっています。

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ご相談ください|Mitz BestPerformance(東大阪・布施)

当院は、鍼灸・あん摩マッサージ指圧・柔道整復の国家資格3つを持ち、アメリカ・欧米で最先端の機能改善トレーニングを学んできた施術者が、施術(治療)からトレーニングまでを一つの場所で、一貫して提供しています。しびれを抑えるだけで終わらせず、その場で「反らずに振れる体」へつなげる——この“分けない”アプローチが、当院の核です。

  • 場所:東大阪市・布施駅すぐ(Mitz BestPerformance)
  • 対応:脊柱管狭窄症/間欠性跛行/坐骨神経痛/ゴルフ腰痛/飛距離・スイング改善 ほか
  • 遠方の方:オンライン相談・指導も対応
  • ご予約・お問い合わせtrue-function.com

「狭窄症だから」「年だから」と諦める前に、一度ご相談ください。


参考文献

  1. Comer C, Williamson E, McIlroy S, Srikesavan C, Dalton S, Melendez-Torres GJ, Lamb SE. Exercise treatments for lumbar spinal stenosis: A systematic review and intervention component analysis of randomised controlled trials. Clinical Rehabilitation. 2024;38(3):293-307. doi:10.1177/02692155231201048(PMC10829420/屈曲ベース運動・体幹筋力・自転車こぎ・手技併用が神経性間欠跛行に有効)
  2. Hayden JA, et al. Exercise therapy for chronic low back pain. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2021;9:CD009790. doi:10.1002/14651858.CD009790.pub2(運動療法は痛み・機能を改善)
  3. Hodges PW, Richardson CA. Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain. A motor control evaluation of transversus abdominis. Spine. 1996;21(22):2640-2650.(腰痛者は腹横筋の先行収縮が遅延する)
  4. Dahm KT, et al. Advice to rest in bed versus advice to stay active for acute low-back pain and sciatica. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2010;(6):CD007612.(急性期も安静より活動継続が優れる)

著者:鈴木密正(すずき みつまさ)。鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師(いずれも国家資格)。アメリカ・欧米で最先端の機能改善トレーニングを学ぶ。Mitz BestPerformance(東大阪・布施)代表。本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療に代わるものではありません。症状には個人差があります。強い痛み・しびれ・足の脱力・排尿障害がある場合は、まず医療機関を受診してください。

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