ゴルフのラウンド後・翌日に腰が痛い/打った瞬間ピキッ——状況別の原因と「再開の目安」を国家資格者が解説

「ラウンドの後半になると腰が重くなる。翌日もじわじわ痛い」
「打った瞬間に、腰がピキッときた」
「湿布を貼って休めば治る。でも、また同じところが痛む」

——痛みが出る“状況”は人によって違います。そして、状況によって、まずやるべきことも変わります。この記事は、痛みと再発を繰り返してきたあなたのための記事です。

30秒で結論

  • ラウンド後半や翌日にじわじわ痛むのは、「同じ無理の蓄積」です。痛いまま動いて代償運動(本来の場所の代わりに別の場所が無理に肩代わりする動き)を重ね、骨格のポジションが崩れ、いつか“爆発”します。
  • 打った瞬間にピキッ(ぎっくり腰)は、寝違えや肉離れのように軽く筋を傷めている可能性があります。じわじわ型とは初期対応が違い、まず落ち着かせてから動かします。
  • じわじわ型は、可動性・安定性のトレーニングを取り入れていって構いません。ピキッ型は、急性の痛みが落ち着いてから少しずつ動かし、代償運動を直していきます。
  • 再開の目安は「何日休んだか」ではありません。「動きが戻ったか」です。 湿布と安静で痛みが引くのを待って再開する——これを繰り返す限り、火元が消えていないので一生同じことの繰り返しです。
  • 放置すると、年月とともに取り返しのつかない状態(ヘルニア・狭窄症)に進みます。痛みが引くのを待つより、動きを変える環境へ早く切り替えるのが近道です。
  • 痛いけど打ちたい人は、ハーフスイングから。 痛みの出ない範囲で体幹を入れ、股関節と肩甲骨を使って打てば、痛みなく正しい打ち方を習得できます。

この記事が答える質問

  • ラウンドの後半や翌日に、腰がじわじわ痛むのはなぜ?
  • 「打った瞬間ピキッ」と「じわじわ」は何が違う?対処も違う?
  • ぎっくり腰になったとき、冷やす?動かす?
  • ゴルフはいつ再開していい?何日休めばいい?
  • 打ちっぱなしで連続して打つと痛い。どうすれば打てる?

ラウンド後半・翌日にじわじわ痛むのはなぜ?——「同じ無理の蓄積」

ラウンドの後半や、プレーした翌日にじわじわ腰が痛む。これは、「同じ無理の蓄積」です。

どういうことか。痛いまま無理に動かすことで、代償運動の上に、さらに代償運動を重ねてしまうのです。本来使うべき股関節や胸椎が動かないので、その分を腰が肩代わりする。その腰がもう限界なのに、さらに別の場所が無理をしてかばう——こうして無理が積み重なっていきます。

基本はじわじわと痛んできます。それは、“被害者”である腰が、過剰に頑張って動き続けてしまっている状態だからです。一発で壊れるのではなく、頑張りすぎた腰がじわじわ悲鳴を上げている、とイメージしてください。

痛いまま動く→代償運動に代償運動を重ねる→骨格の本来のポジションが崩れる→負担が蓄積→いつか発症する、というゴルフ腰痛の悪循環を示した図
「休めば治るから」とまた動く——その繰り返しで負担が蓄積し、骨格のポジションが崩れて、いつか“爆発”する

そして、ここが落とし穴です。「休めば治るから」と、また動く。でも痛む。これを繰り返しているうちに、関節への負担が蓄積していきます。 そうして骨格の本来のポジションからどんどん崩れていき、いつか爆発(発症)するという形になります。

「ただの疲れ」「いつものこと」と見過ごしているじわじわ痛みは、骨格が崩れていくサインかもしれません。

関連記事:ゴルフで腰・肩・膝が痛む“代償運動”の全体像スイングのどの瞬間に腰が痛む?——局面別の原因


「打った瞬間ピキッ」と「じわじわ」は別物——見分けと初期対応

同じ腰痛でも、「じわじわ型」と「打った瞬間ピキッ型」では、まずやるべきことが違います。

じわじわ型は、先ほど説明した「無理の蓄積」です。急性の強い炎症がなければ、モビリティエクササイズ(関節を動かす運動)やスタビリティトレーニング(体を安定させる運動)を取り入れていって構いません。 動きを変えながら、代償運動を減らしていく方向で進めます。

一方、打った瞬間にビキッと痛んだ場合は、話が違います。これは、寝違えのように、軽く筋を傷めている(筋損傷)可能性があります。いわば、腰の“軽い肉離れ”のような状態です。

じわじわ型(無理の蓄積・可動性や安定性のトレーニングを取り入れてよい)と、打った瞬間ピキッ型(軽い筋損傷・まず落ち着かせてから動かす)の対処の違いを並べた比較図
じわじわ型は動かしながら直す。ピキッ型は“軽い肉離れ”——まず鎮めてから、少しずつ動かす

この場合は、まず肉離れのような状態を落ち着かせてから、動かしていくようにします。急性の強い痛みがあるうちに無理に動かしたり、ぐいぐい揉んだりするのは逆効果です。

ただし、「落ち着かせる」=「完全に寝込む」ではありません。痛みの強い数日を過ぎたら、少しずつ動かしながら、代償運動を改善していく——この手順で進めるのが正解です。急性腰痛では、安静にし続けるより、痛みのない範囲で活動を続けるほうが回復が早いことが、研究でも示されています〔2〕。


ぎっくり腰になったら——まず落ち着かせ、少しずつ動かして代償を直す

「打った瞬間ピキッ」でぎっくり腰になってしまったら、手順はこうです。

  1. 急性期(強く痛む数日):無理に動かさず、まず炎症を落ち着かせる。ぐいぐい揉んだり、痛いのを我慢して打ち続けたりしない。
  2. 回復期:痛みが引いてきたら、痛みのない範囲で少しずつ動かし始める。完全な安静を続けない〔2〕。
  3. 再構築期:ここが一番大事です。痛みのもとになっている代償運動を特定し、股関節・胸椎・肩甲骨を動かして、腰に集まっていた負担を取り除く。

多くの人は、1と2で終わってしまいます。痛みが引いた=治った、と思ってまた同じ振り方で打つ。でも、3をやらない限り、火元は残ったままです。だから、またピキッとくる。ぎっくり腰を繰り返す人は、たいていここが抜けています。


ゴルフはいつ再開していい?——「何日休む」ではなく「動きが戻ったか」

「ゴルフはいつ再開していいですか?」「何日休めばいいですか?」——とてもよく聞かれる質問です。

まず前提として、腰痛やしびれがあっても、ゴルフをしてはいけないわけではありません。 ただし、湿布を貼ったり安静にしたりして、痛みが引いたらまた再開する——このやり方では、一生同じことを繰り返すばかりです。

なぜなら、それは「火元」が消えていない状態だからです。痛みという“煙”が一時的に収まっただけで、火元(代償運動)は燃え続けている。根本的な原因を解決しない限り、状況は変わりません。

湿布と安静で痛みが引くのを待って再開し再発を繰り返す無限ループと、火元である代償運動を特定して動きを変え根本解決する道筋を対比した図
「痛みが引くのを待って再開」は無限ループ。火元(代償運動)を消さない限り、何度でもぶり返す

だから、再開の目安は「何日休んだか」でも「痛みが引いたか」でもありません。「動きが戻ったか」です。具体的には、次の部分を総合的に診て、動きそのものを変えられる環境へ早めに切り替えることが、一番の近道です。

  1. 股関節の可動性
  2. 胸椎の可動性
  3. 肩甲骨の動き
  4. 手足や首など、細かな部分

「痛みが引くのを待つ」という考え方では、結局また同じ結果を招きます。大切な時間を無駄にしないためにも、まずは腰を痛める本当の元になっている代償運動を特定し、動きを改善して取り除いてください。 放置すると、年月とともに取り返しのつかない状態(ヘルニアや狭窄症)になってしまいます。早めの対応をおすすめします。

関連記事:ゴルフの“早期伸展(起き上がり)”が一生治らない人へゴルフの“軸ブレ”の正体——股関節・腹圧・胸椎ゴルフで椎間板ヘルニアは悪化する?続けられる?


痛いけど練習したい人へ——ハーフスイングから始める

「そうは言っても、打ちたい」。その気持ちは、よく分かります。練習で打つと痛む方には、当院では痛みの出ない範囲で、体幹を入れながら、股関節や肩甲骨を動かせる範囲で打つ方法をお伝えしています。

カギは、ハーフスイングです。フルスイングでなく、半分の振り幅から始めるだけで、痛みなく体幹を使って、しっかり「しんどい」と感じる正しい打ち方を習得できます。この「しんどい」は、もも前や腰の悲鳴ではなく、お腹(体幹)や股関節がちゃんと働いている証拠です。

理想は、次のステップです。

  1. 準備運動で、本来使うべき部位(股関節・胸椎・肩甲骨)を動かせる状態にする
  2. ハーフスイングで、体幹・股関節・肩甲骨・胸椎まわりの使い方を習得する
  3. 動きを細かく分解し、パーツごとに正しく使えるようにする

これらを身につけてから、ラウンドに入っていただくのが理想です。

「そこまでやりたくない」「面倒だ」という方でも、せめてハーフスイングで正しく体を使うことだけは、練習で必ず取り組んでもらうようにしています。連続でフルスイングを打って腰を痛めるより、ハーフスイングで体の使い方を入れるほうが、よほど上達も早く、痛みも出ません。まずは、ここからです。


状況が違っても、原因は同じ——腰は“被害者”

ここまで、ラウンド後・翌日のじわじわ痛み、打った瞬間のぎっくり腰、再開の目安、練習のしかたと見てきました。でも、すべてに共通する一本の軸があります。

それは——腰は“被害者”であり、本当の原因は回らない股関節・硬い胸椎・動かない肩甲骨にあるということです。

じわじわ痛むのも、ピキッとくるのも、再発を繰り返すのも、すべて代償運動の蓄積という同じ根からきています。だから、状況別の対処(落ち着かせる・休む・ハーフから打つ)は入り口にすぎません。最後は必ず、「腰に無理をさせている火元=代償運動」を見つけて取り除くところに行き着きます。

痛む腰そのものをいくらケアしても、加害者を放置していれば、振ればまたぶり返します。スイングのどの瞬間に痛むか、その火元を局面別に詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。

関連記事:スイングのどの瞬間に腰が痛む?——バックスイング・切り返し・インパクト別の原因


よくある質問(FAQ)

Q. ラウンドの翌日に腰が痛むのは、年齢のせいですか?
A. 年齢そのものより、「同じ無理の蓄積」が主な原因です。股関節や胸椎の代わりに腰が働き続け、その負担が積もってじわじわ痛みます。動きを変えれば、年齢に関係なく軽くなる方は多くいます。

Q. 「打った瞬間ピキッ」ときました。冷やすべき?動かすべき?
A. 強く痛む最初の数日は、無理に動かさず落ち着かせてください。軽い筋損傷(腰の“軽い肉離れ”)のことが多いためです。ただし完全に寝込むのは逆効果。痛みが引いてきたら、少しずつ動かしながら代償運動を直していきます。

Q. ぎっくり腰は、すぐ動かしていいのですか?
A. 強い痛みのある急性期は安静寄りで落ち着かせ、その後は痛みのない範囲で早めに動き始めるのが回復に良いとされています〔2〕。「ずっと寝て待つ」より「落ち着いたら動く」が基本です。

Q. 何日休めば、ゴルフを再開できますか?
A. 日数では決まりません。目安は「動きが戻ったか」です。股関節・胸椎・肩甲骨が使えて、腰に無理をさせず振れる状態かどうかで判断します。痛みが引いただけで戻ると、再発します。

Q. 湿布と安静で痛みが引きました。もう再開していいですか?
A. 痛みが引いても、火元(代償運動)が残っていれば、振ればまた痛みます。「痛みが引く→再開→また痛む」を繰り返している方は、動きそのものを変える必要があります。

Q. 痛いけれど、どうしても練習したいです。打ってはいけませんか?
A. ハーフスイングから、痛みの出ない範囲で体幹・股関節・肩甲骨を使って打つなら、むしろ良い練習になります。連続でフルスイングを打って腰をかばう打ち方を繰り返すのが、一番いけません。

Q. このまま痛みと付き合いながら続けたら、どうなりますか?
A. 代償運動を放置したまま続けると、負担が積もって、年月とともにヘルニアや脊柱管狭窄症へ進むことがあります。「ただの腰痛」のうちに、動きを変えることをおすすめします。

Q. 遠方ですが診てもらえますか?
A. 来院が基本ですが、遠方の方にはオンラインでの相談・指導も対応しています。


おわりに——「待つ」より「動きを変える」が近道

ゴルフで腰が痛む状況はさまざまですが、覚えてほしいのは三つです。

  • じわじわもピキッも、腰は“被害者”。原因は代償運動の蓄積で、骨格のポジションが崩れていく
  • 再開の目安は「日数」ではなく「動きが戻ったか」。痛みが引くのを待つだけでは、火元は消えない
  • 早く動きを変えるほど近道。放置すれば、年月とともに取り返しのつかない状態に進む

痛みが引くのを待って再開する——その繰り返しから抜け出す唯一の方法は、腰を痛める火元を見つけて、動きそのものを変えることです。

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ご相談ください|Mitz BestPerformance(東大阪・布施)

当院は、鍼灸・あん摩マッサージ指圧・柔道整復の国家資格3つを持ち、アメリカ・欧米で最先端の機能改善トレーニングを学んできた施術者が、施術(治療)からトレーニングまでを一つの場所で、一貫して提供しています。痛む腰を整えるだけで終わらせず、その場で「腰を守って振れる体」へつなげる——この“分けない”アプローチが、当院の核です。

  • 場所:東大阪市・布施駅すぐ(Mitz BestPerformance)
  • 対応:ゴルフ腰痛/ぎっくり腰・再発/椎間板ヘルニア・坐骨神経痛/飛距離・スイング改善 ほか
  • 遠方の方:オンライン相談・指導も対応
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「休めば治る」を繰り返してきた方こそ、一度ご相談ください。


参考文献

  1. Lindsay DM, Vandervoort AA. Golf-related low back pain: a review of causative factors and prevention strategies. Asian Journal of Sports Medicine. 2014;5(4):e24289. doi:10.5812/asjsm.24289 (ゴルフスイングで腰椎に複合負荷がかかり、反復で蓄積する)
  2. Dahm KT, Brurberg KG, Jamtvedt G, Hagen KB. Advice to rest in bed versus advice to stay active for acute low-back pain and sciatica. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2010;(6):CD007612. doi:10.1002/14651858.CD007612.pub2 (急性腰痛は安静より、痛みのない範囲で活動を続けるほうが回復が良い)
  3. Hayden JA, Ellis J, Ogilvie R, Malmivaara A, van Tulder MW. Exercise therapy for chronic low back pain. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2021;9:CD009790. doi:10.1002/14651858.CD009790.pub2 (運動療法は慢性腰痛の痛み・機能を改善する)
  4. Hodges PW, Richardson CA. Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain. A motor control evaluation of transversus abdominis. Spine. 1996;21(22):2640-2650. doi:10.1097/00007632-199611150-00014 (腰痛者は、動き出す前にお腹の奥が先に締まる“先回り”が遅れる=体幹を入れて打つ意義の裏づけ)

著者:鈴木密正(すずき みつまさ)。鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師(いずれも国家資格)。アメリカ・欧米で最先端の機能改善トレーニングを学ぶ。Mitz BestPerformance(東大阪・布施)代表。本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療に代わるものではありません。症状には個人差があります。強い痛み・しびれ・麻痺がある場合は、まず医療機関を受診してください。

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