腰・ヘルニア手術後、ゴルフはいつから再開できる?再発しない体の作り方

腰のヘルニア、あるいは脊柱管狭窄症で手術を受けた。傷は落ち着いてきた。でも、頭の中にずっと居座っている不安がある——「もう、ゴルフは無理なのだろうか」。

あるいは今、医師から手術を勧められ、「手術したら、本当にまた振れるのか」と迷っている最中かもしれません。

先に、結論からお伝えします。多くの方は、手術後もゴルフに復帰できます。 実際に、ヘルニアで二度手術を経た方が、痛みもしびれもない状態でコースに戻っていかれた例があります。

ただし、一つだけ、見落としてはいけない事実があります。「手術をしても、また痛みが戻ってくる人」がいるということです。この記事は、その分かれ目まで含めて、正直にお話しします。

30秒で結論

  • 手術後もゴルフには復帰できます。 目安は、まず主治医から運動・スポーツの許可が出ることが絶対の前提。そこから体を整えながら、おおむね数ヶ月で実際のラウンドに戻れる方が多いです。
  • ただし、手術は「今出ている痛みの発生源」を取り除く処置です。ヘルニアや狭窄で神経を圧迫していた部分そのものにはアプローチできても、「その痛みを作った身体の使い方」までは変えてくれません。
  • だから、身体の使い方が手術前のままだと、別の場所や同じ場所に、また負担が積み上がって再発することがあります。二度手術しても痛みとしびれがぶり返す方が一定数いるのは、これが理由です。
  • 再発を分ける鍵は、たった3つ。①股関節が使えているか ②腹圧が入って腰椎に頼りすぎていないか ③胸椎が回って反り腰になっていないか。 ここが変われば、身体は変わります。
  • 手術を迷っている方へ。主治医と連携しながら、保存的に身体の機能を変えていく選択肢もあります。実際、医師から「狭窄症だが手術は避けたい」という方をご紹介いただくこともあります。手術の要否は主治医が判断することで、この記事はそれを否定するものではありません。

この記事が答える質問

  • 腰(ヘルニア・脊柱管狭窄症)の手術後、ゴルフはいつから再開していいのか?
  • 手術で痛みの原因を取ったのに、なぜ再発する人がいるのか?
  • 再発させずに復帰するには、どんな順番で体を戻せばいいのか?
  • 手術を勧められているが、避ける選択肢はあるのか?
  • 実際に、手術後にゴルフへ戻れた人はいるのか?

手術後、ゴルフはいつから?──まず「主治医の許可」が絶対の前提です

いちばん知りたいのは、ここだと思います。時期の目安からお話しします。

ただし、その前に、これだけは外せません。復帰時期の判断は、まず主治医の許可が大前提です。手術の術式、切除・固定の範囲、骨や組織の回復スピードは一人ひとり違います。「いつからスポーツをしてよいか」は、あなたの経過を診ている執刀医・主治医にしか判断できません。ここを飛ばして自己判断で振り始めるのは、いちばんやってはいけないことです。

そのうえで、主治医から運動・スポーツの許可が出た後の、一般的な流れをお伝えします。

  • ① 医師から「運動していい」の許可が出る。 ここがスタートラインです。
  • ② そこから1〜2ヶ月ほどかけて、体の土台を整える。 いきなりフルスイングではありません。まず、痛みを作らない身体の使い方(後述する3条件)を、軽い動きから作り直していきます。
  • ③ 通っていただきながら、おおむね2〜3ヶ月で実際のラウンドに復帰。 これが一つの目安です。
手術後の復帰3ステップタイムライン

もちろん、これは目安であり、効果や回復のペースには個人差があります。焦って段階を飛ばせば、せっかく落ち着いた身体にまた負担をかけます。逆に、正しい順番で戻していけば、多くの方が想像しているよりも早く、そして安定してコースに戻っていかれます。

大事なのは、「傷が治ったか」と「またゴルフができる身体になったか」は別物だということです。手術は前者を解決します。後者は、ここから作っていくものです。

なぜ、手術をしても再発する人がいるのか

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

「手術で悪いところを取ったのだから、もう痛くならないはず」——そう思うのが自然です。ところが、二度手術をしても、また痛みとしびれが出てくる方が、現場では珍しくありません。整形外科で牽引(引っ張る治療)を続け、一時は楽になっても動くと悪化し、1〜2年でどうにもならなくなって手術に至る。そして手術後もまた……というループに入ってしまう方がいます。

なぜ、こんなことが起きるのか。

答えはシンプルです。手術は「痛みの発生源」を取り除く処置であって、「その痛みを作った身体の使い方」までは変えてくれないからです。

たとえて言えば、雨漏りで水びたしになった床を、業者が張り替えてくれた。これが手術です。床は新品で、きれいになりました。でも、天井の穴(雨漏りの原因)がふさがっていなければ、また同じ床が水びたしになる。 ヘルニアや狭窄で傷んだ場所を処置しても、その場所に負担を集め続ける「振り方・使い方」が残っていれば、遅かれ早かれ、また負担は積み上がります。

手術と使い方のズレを示す因果図

だから、手術そのものを否定しているのではありません。神経の圧迫を外す手術は、必要な局面では大きな意味があります。ただ、手術は「振り出しに戻す」ものであって、「二度と痛くならない身体をくれる」ものではない。この理解が、再発するかしないかの分かれ目になります。

痛む場所は「結果」で、火元は別にあることが多い——これは、画像で異常が見つからない腰痛にも共通する考え方です。

再発する人・しない人を分ける「3つの条件」

では、その「痛みを作った身体の使い方」とは、具体的に何なのか。

現場で診ていると、腰に負担を集めてしまう方には、驚くほど共通した3つの条件があります。逆に言えば、ここさえ変われば、身体は普通に変わります。 順番に見ていきます。

条件① 股関節が、ちゃんと使えていない

スイングの回旋(ねじり)を生み出す最大のエンジンは、股関節です。ところが、この股関節が硬い、あるいは使い方を忘れていると、回るはずの仕事を腰(腰椎)が肩代わりします。

股関節が回らないほど、腰がその分を余分にねじる——これは臨床の実感だけでなく、研究でも確かめられています。プロゴルファーを対象にした計測で、股関節の回旋と腰椎の回旋には強い相関があり、股関節が回らない分だけ腰椎が代わりに回っていることが示されています(Mun ほか, 2015)。腰だけを診ても、原因である股関節には手が届きません。

条件② 腹圧が入らず、腰椎メインで動いている

お腹の中の圧(腹圧)が、体幹を支える天然のコルセットです。この腹圧が入るポジションを取れていないと、体を支える仕事が腰椎だけに集中します。手術をした、まさにその場所に、また毎回の動作で負担が乗り続けるわけです。

条件③ 胸椎が回れず、反り腰になっている

背骨のうち、本来よく回るべきなのは胸椎(背中の部分)です。ここが硬くて回れないと、お腹の力が抜けて骨盤がずっこけ、腰椎が過剰に反ります(反り腰)。反り腰は、狭窄症やヘルニアにとって、もっとも負担のかかる姿勢のひとつです。胸椎が回らないしわ寄せを、また腰が受け取ってしまう構造です。

再発を招く3条件が腰に集まる図

この3つは、バラバラの問題ではありません。骨格からバランスが崩れ→腹圧・体幹が抜け→股関節が使われず→腰が過剰に使われる、という一本の連鎖です。手術で発生源を取っても、この連鎖が残っていれば、負担はまた弱い場所に集まります。

そして残念なことに、この3条件は、整骨院のバキバキ矯正でも、整形外科の牽引でも、基本的には変わりません。 矯正で一時的に可動域が増えたように見えても、動いたときの代償運動(肩代わり)が残っていれば、また同じことの繰り返しです。なぜ通っても戻ってしまうのか、その仕組みは接骨院に通っても良くならない本当の理由で整理しています。

再発しない復帰の手順──「整える」で終わらせない

では、どう戻していくのか。当院では、次の順番で進めます。大切なのは、「整える」で終わらせないことです。

  • 診る:静止した状態の可動性・安定性だけでなく、実際に動いた中で、どの部位がサボり、どこが肩代わりしているかまで評価します。手術後にどの連鎖が切れているのかを、動作の中で特定します。
  • 整える:鍼灸・あん摩マッサージ指圧・柔道整復の手技で、動きを止めている組織の緊張や、骨格ポジションのズレをリセットします。まず「動ける状態」を先に作ります。
  • 鍛える:ここが本丸です。抜けていた腹圧を入れる感覚を取り戻し、肋骨を下ろして腹圧の入るポジションを作る骨盤底筋・腹横筋を働かせて反り腰を止め、股関節(とくに外旋六筋)を目覚めさせる。切れていた連動を、少しずつ再学習していきます。

手技で一時的に楽になっても、切れた連動を使い直さなければ、身体は必ず元のパターンに戻ります。手術後に「揉んで終わり」「電気を当てて終わり」では、3条件は一つも変わりません。 だから、評価で見つかった連鎖を、トレーニングで組み直すところまでを一続きで行います。

なお、腰椎ヘルニア・脊柱管狭窄症とゴルフの関係そのものは、それぞれゴルフと腰椎椎間板ヘルニアゴルフと脊柱管狭窄症で詳しく解説しています。ご自身の状態に近いほうを、あわせてお読みください。

手術を迷っている方へ──保存的に機能を変えるという選択肢

ここまで手術後の話をしてきましたが、いま「手術を勧められて迷っている」段階の方もいらっしゃると思います。

まず大前提として、手術をすべきかどうかは、あなたを診ている主治医が判断することです。ここで手術の要否をどうこう言うつもりはありません。しびれや脚の脱力といった神経症状が進んでいる場合など、手術が必要な・望ましい局面は確かにあります。

そのうえで、一つの事実をお伝えします。当院には、医師から「脊柱管狭窄症だけれど、手術は避けたい」という患者さんをご紹介いただくことがあります。つまり、医療機関と連携しながら、まずは保存的に(手術をせずに)身体の機能そのものを変えていくという道が、選択肢として存在するということです。

先ほどの3条件——股関節・腹圧・胸椎——は、手術をしなくても取り組めます。神経を圧迫している構造そのものは手術でしか変えられない場合もありますが、その圧迫に負担を集めている「使い方」を変えるだけで、症状が大きく落ち着く方は少なくありません。放置して神経痛→ヘルニア→脊柱管狭窄症と進んでしまう前に、身体の使い方を見直す価値は十分にあります。

判断を焦る必要はありません。主治医の見立てを軸にしながら、機能を変える選択肢もある——そのことだけ、頭の片隅に置いていただければと思います。

実例:ヘルニアで二度手術しても、飛距離が戻りシングルへ

最後に、実際にあった例を一つ、お伝えします(年代のみ・匿名です)。

60代半ばの男性。腰椎ヘルニアで二度の手術を経ても、痛みとしびれが残っていました。牽引や矯正では変わらず、「もう競技ゴルフは諦めるしかないか」というところまで来ていた方です。

取り組んだのは、特別なことではありません。この記事で書いてきた3条件——使えていなかった股関節を目覚めさせ、抜けていた腹圧を取り戻し、反り腰を止めて胸椎を回せるようにする。痛みを作っていた根本の使い方を、順番に組み直していきました。

結果として、痛みとしびれは出なくなり、身体が本来の連動を取り戻したことで、飛距離はむしろ手術前より戻り、スコアはシングルに。いまも競技ゴルフに元気に出ておられます。

もちろん、効果には個人差があります。すべての方がこうなると約束するものではありません。ただ、「二度手術しても痛みが残った身体」でも、使い方が変われば、ここまで変わり得る。これは、諦めかけている方に、事実として知っておいていただきたいことです。60代半ばでも70代半ばでも、元気にラウンドを重ねている方はいくらでもいらっしゃいます。

よくある質問(FAQ)

Q. 手術後、ゴルフはいつから再開できますか?

A. まず主治医から運動・スポーツの許可が出ることが絶対の前提です。そのうえで、許可が出てから1〜2ヶ月ほどかけて体の土台を整え、通っていただきながらおおむね2〜3ヶ月で実際のラウンドに復帰される方が多いです。術式や回復には個人差があるため、時期は必ず主治医の判断を優先してください。

Q. 手術で悪いところを取ったのに、なぜまた痛くなることがあるのですか?

A. 手術は「今出ている痛みの発生源」を取り除く処置で、その痛みを作った身体の使い方までは変わらないからです。股関節が使えず、腹圧が抜け、胸椎が回らずに反り腰になっている——この3条件が残ったままだと、同じ場所や別の場所にまた負担が積み上がり、再発することがあります。

Q. しびれや脚の脱力が残っています。ゴルフをしてもいいですか?

A. しびれ・脚の力が入らないなどの神経症状がある場合は、まず主治医・医療機関にご相談ください。ゴルフの再開可否も含め、医師の判断が優先されます。当院でも、医療機関との連携を前提に対応しています。

Q. まだ手術をしていません。手術を避けることはできますか?

A. 手術の要否は主治医が判断することで、ここで否定も推奨もできません。ただし、医師と連携しながら保存的に(手術をせずに)身体の機能を変えていくという選択肢は存在します。実際に、医師から「狭窄症だが手術は避けたい」という方をご紹介いただくこともあります。まずは主治医の見立てを軸にご検討ください。

Q. 手術後、リハビリは終わりました。それでも通う意味はありますか?

A. 病院のリハビリは「日常生活に戻る」ためのものです。ゴルフのスイングという、腰にとって負荷の高い動作に戻るには、そこから一段深い、股関節・腹圧・胸椎の連動づくりが必要になります。復帰後の再発を防ぐという意味でも、意味は大きいと考えています。

Q. 何回くらい通えば戻れますか?

A. 状態や手術の経過、競技の頻度によって変わります。可動性や身体の軽さは早い段階で変化を感じる方が多いですが、切れていた連動を再学習して定着させるには一定の期間が必要です。効果には個人差があります。初回の評価時に、あなたの状態に基づいた見通しをお伝えします。

おわりに

腰の手術を受けたこと、あるいは手術を勧められていることは、「もうゴルフは無理だ」というサインではありません。

手術は、痛みの発生源を取り除いてくれます。ですが、また痛くならない身体をくれるわけではない。だからこそ、その先で、痛みを作っていた使い方——股関節・腹圧・胸椎の3条件——を変えられるかどうかが、再発するかしないかを分けます。

主治医の許可を大前提に、正しい順番で身体を戻していけば、多くの方がコースに戻っていかれます。二度手術しても痛みが残った方が、飛距離を取り戻してシングルに戻った例もあります。諦めるのは、まだ早いです。

腰の手術後・復帰のお悩みは、東大阪 Mitz BestPerformance へ

国家資格者(鍼灸・あん摩マッサージ指圧・柔道整復)が、機能解剖にもとづいて「診る→整える→鍛える」を一貫して行います。手術後の身体を、静的な部位チェックで終わらせず、動作の中での全身連動まで評価し、再発させない復帰へ導きます。医療機関との連携も前提としています。

東大阪・八尾・今里・鶴橋/寝屋川・尼崎/堺・泉北/奈良・神戸方面ほか、広く来院いただいています。遠方の方はオンラインでの相談・自宅メニュー設計も可能です。

▶ ご予約・詳細は true-function.com をご覧ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療の代わりになるものではありません。手術後のスポーツ復帰の可否・時期は、必ず主治医の判断を優先してください。しびれ・脚の脱力など神経症状がある場合は、まず医療機関を受診してください。症状には個人差があります。

参考文献

  1. Mun F, et al. Kinematic relationship between rotation of lumbar spine and hip joints during golf swing in professional golfers. Biomed Eng Online. 2015. PMC4430877.(股関節と腰椎の回旋の相関)
  2. Lindsay DM, Vandervoort AA. Golf-related low back pain: a review of causative factors and prevention strategies. Asian J Sports Med. 2014. PMC4335481.

関連記事

ゴルフパーソナルトレーニング&ゴルフ神経整体について詳しくはこちら

この記事に関する関連記事

ファンクショナルトレーニングジムMitz