ゴルフで肘が痛い ─ ゴルフ肘(内側)とテニス肘(外側)、そして「手先で振る」ことが肘に来る理由

スイングやインパクトで肘の内側(または外側)がズキッとする。ボールを打つたびに肘が痛い。「ゴルフ肘」「テニス肘」と言われて不安——ゴルフで肘を痛める方は少なくありません。実はその肘、体が止まって“手先で振った”しわ寄せを受けた末端の被害者であることがよくあります。国家資格者(鍼灸・あん摩マッサージ指圧・柔道整復)が、肘痛の本当の正体と抜け出し方を解説します。

30秒で結論

  • ゴルフの肘痛は、痛む場所で大きく2つに分かれます。内側(利き腕・後ろの腕に多い)=ゴルフ肘(内側上顆炎)外側(前の腕に多い)=テニス肘(外側上顆炎)。どちらも握る・手首を返す筋(前腕)の腱の使いすぎで起きます。
  • 火元は多くの場合、肘そのものではなくスイング全体の連動不足。体の回転が止まり、手先でクラブを振り下ろす(キャスティング)・握りすぎ・こねすぎが起きると、そのしわ寄せが末端の肘の腱に集中します。実際、インパクト前後(加速期〜フォロー初期)に前腕の筋活動が高まることが指摘されています(Forearm muscle activity in golf, 2024)。
  • 肘は、いわば“ムチの先”。手元(グリップ・手首)と体(股関節・体幹・肩)がうまく連動しないと、末端の肘だけが働きすぎて悲鳴を上げます。
  • ただし、指のしびれ・手に力が入らない・強い腫れ・肘を曲げ伸ばしできないなどは、まず整形外科を受診してください。神経(尺骨神経など)の問題との見極めが必要です。
  • 当院(東大阪 Mitz/true-function.com)は、評価 → 整える → 鍛えるを一貫して行い、手先でなく体で振れる連動を取り戻して肘への負担を減らします。

この記事が答える質問

  • ゴルフ肘(内側)とテニス肘(外側)は何が違う?
  • なぜスイングで肘・前腕の腱が痛むのか?
  • 「手先で振る」と、どうして肘に来るのか?
  • すぐ病院に行くべきサインは?
  • どう改善していくのか?

ゴルフ肘(内側)とテニス肘(外側)─ まず場所で見分ける

ひとくちに「肘が痛い」といっても、痛む場所で原因の筋が変わります

種類 痛む場所 多い腕(右打ち) 傷むもの
ゴルフ肘(内側上顆炎) 肘の内側 利き腕・後ろの腕(右) 手首を曲げる・握る筋の腱(屈筋・回内筋)
テニス肘(外側上顆炎) 肘の外側 前の腕(左) 手首を反らす筋の腱(伸筋)

名前は「ゴルフ肘」「テニス肘」ですが、どちらもゴルファーに起こり得ます。共通するのは、握る・手首を使う前腕の筋を使いすぎているという点です。


肘は「ムチの先」─ 体が止まると末端が働きすぎる

ここが、この記事でいちばん大切なところです。よいスイングは、股関節 → 体幹 → 肩 → 腕 → 手へと、力が順番に伝わる一本のムチのような連動で生まれます。肘や手首は、そのムチの“先端”にあたります。

  • 体(股関節・体幹)の回転が止まる → 力を伝えきれず、手先でクラブを振り下ろす(キャスティング)
  • 握りすぎ・こねすぎ → 前腕の筋が過剰に働き、腱の付け根(肘)にストレスが集中する

つまり、肘の痛みなのに、火元はスイング全体の連動不足にあることがとても多いのです。肘だけをサポーターで固めたり、湿布を貼ったりしても戻ってしまうのは、このためです。前腕の筋の使いすぎ・疲労が肘の腱障害につながることは、研究でも指摘されています(Forearm muscle activity in golf, 2024)。

肘がムチの先端になっている図。体幹・肩の回転が止まると手先でクラブを振り下ろし(キャスティング)、握りすぎのしわ寄せが末端の肘・前腕の腱に集中する様子。肘は連動不足の被害者であることを示す。
図1:肘は“ムチの先”。体の回転が止まると手先で振り、末端の肘(前腕の腱)にしわ寄せが集中する。

この考え方は、ゴルフで肩が痛い(胸椎の橋渡し)ゴルフで股関節が痛い(腰・膝への連鎖)と同じ“連鎖”の発想です。動かない場所のしわ寄せは、必ず隣(や末端)の弱い場所に集まります


すぐ病院へ ─ この肘のサインは受診を

次のサインがあるときは、様子を見ずに整形外科を受診してください(神経や腱の精密検査が必要な場合があります)。

肘の危険サイン 考えられること
小指・薬指のしびれ、手に力が入らない 尺骨神経の障害など
肘が曲げ伸ばしできない・引っかかる 関節内の問題(遊離体など)
急に強く腫れた・熱を持っている 強い炎症・関節の問題
ぶつけた・ひねった直後からの激痛 骨折・靭帯損傷など急性外傷

これらは「連動を整える」前に、まず医療機関での評価が先です。そのうえで、なぜ肘に負担が集中したのか(=スイングの代償)を整えると、復帰と再発予防につながります。


改善の順番 ─ 肘ではなく「振り方(連動)」から整える

肘痛は、肘そのものより、スイングの連動と手元(グリップ・手首)から整えるのが近道です。

  1. 診る(評価):股関節・体幹の回転、肩の動き、グリップ圧・手首の使い方を確認し、肘がどこの代償で働きすぎているかを特定します。
  2. 整える(施術):硬い体幹・肩・手首を動けるようにし、前腕・肘にかかる過剰なストレスを減らします。使いすぎた腱まわりもケアします。
  3. 鍛える(トレ):体で振り、手先はしなやかに使えるスイングを、正しい連動として段階的に定着させます。握りすぎない前腕の使い方も練習します。

当院(東大阪 Mitz/true-function.com)は、鍼灸・あん摩マッサージ指圧・柔道整復の3つの国家資格に機能解剖の体系(PRI/DNS/FTなど)を用いて、肘の“おおもと”であるスイングの連動まで含めて一貫して診ます。肘だけを追いかけないのが、戻りにくさの理由です。


よくある質問(FAQ)

Q. 肘の内側が痛みます。ゴルフ肘でしょうか?
A. 内側の痛みは「ゴルフ肘(内側上顆炎)」の可能性があります。ただし、その背景に「体が止まって手先で振っている」連動不足があることが多いです。まず状態を確認し、そのうえで“なぜ前腕を使いすぎるのか”を機能から診ると、根本にアプローチできます。

Q. 肘が痛いのに、体幹や股関節を診るのはなぜ?
A. 肘は連動の“末端(ムチの先)”だからです。体の回転が止まると、その仕事のしわ寄せが手先・肘に集中します。火元の多くは肘より手前(体)にあります。

Q. サポーターやバンドで十分ですか?
A. 一時的に楽になることはありますが、固めるだけでは“手先で振る原因”は変わりません。連動とグリップを整え、肘に無理が来ない振り方にすることが、再発予防につながります。

Q. 握りを緩めれば治りますか?
A. 握りすぎの改善は有効なことが多いですが、それだけでは不十分な場合もあります。体の回転が止まっているから手で握って振ってしまう——という順番のことが多く、体の連動から整えるのが近道です。

Q. 肘を痛めたら、ゴルフはやめるべき?
A. 状態によります。しびれ・力が入らない・強い腫れがあるときは、まず受診を。落ち着いていれば、負担のかかり方(代償)を整えながら続けられる方も多いです(効果には個人差があります)。


おわりに ─ 肘は「ムチの先」の被害者

ゴルフの肘痛、とくに内側(ゴルフ肘)・外側(テニス肘)の痛みは、肘そのものより、体が止まって“手先で振った”連動不足のしわ寄せであることがよくあります。肘だけを固めたり冷やしたりしても戻るのは、火元がスイング全体にあるから。

「打つたびに肘が痛い」「ゴルフ肘と言われて不安」——そんな方は、危険なサインがないことを確認したうえで、肘の“おおもと”であるスイングの連動と手元まで含めて動きを診てもらうことから始めてください。

ご相談・ご来院

  • Mitz BestPerformance(東大阪/近鉄沿線)/true-function.com
  • 動作評価から施術・段階的トレーニングまで、国家資格者(鍼灸・あん摩マッサージ指圧・柔道整復)が一貫して担当します。
  • 東大阪・八尾・今里・鶴橋/寝屋川・尼崎/堺・泉北/奈良/神戸ほか広域から来院いただいています。遠方の方はオンライン相談も可能です。

※ 本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療を保証するものではありません。症状には個人差があります。しびれ・力が入らない・強い腫れ・曲げ伸ばしできない・外傷後の激痛がある場合は、まず医療機関を受診してください。


参考文献

  1. An Ergonomic Golf Grip Leads to Lower Forearm Muscle Activity — A Prospective Case Series of 30 Golfers. 2024. PMC11346012. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC11346012/
  2. Medial Epicondylitis (Golfer's Elbow). StatPearls, NCBI Bookshelf. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK519000/
  3. Lindsay DM, Vandervoort AA. Golf-Related Low Back Pain: A Review of Causative Factors and Prevention Strategies. PMC4335481. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4335481/

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