脳科学ダイエット

なぜあの人はいつもあんなに運動をしているのに痩せていないの?という人を見たことはないでしょうか?毎日近所でウォーキングやランニングをがんばっている人、フィットネスクラブに_生懸命通ってプールやエアロビクスのレッスン等に参加しているのに、一向に痩せず、スタイルも良くならない……。こういう人は少なからずいます。また、DVDのダンスエクササイズやランニングを1、2か月がんばって痩せた!という人でも、結局しばらくすると元の体型に戻ってしまったということは多いでしょう。ダイエットでは、摂取カロリーを消費カロリーが上回る状態をキープする必要があるのは周知の事実です。ですから、運動をしても痩せられない人は、食べている分を運動量で超えることができていないわけです。「あんなにがんばって動いているのになぜ?」と思うかもしれませんね。それが落とし穴なのです。痩せない原因は、まさに単純゜単純に、「食べすぎ」です。しかし、この原因を実は薄々わかっているのに、なぜかここで皆さんは「消費カロリーを稼いで帳尻を合わせよう」とするのです。ここがひとつの失敗です。

 

 

失敗の理由はいろいろあります。まず、食べすぎている状態に気付くことにさえ目をつぶってしまっているから。今、口にしている食べ物がどれくらいのカロリ—があるのか、どの栄養素がどのくらいあるのかを理解して食べている人はかなり少ないでしょう。毎日自分がnにしている食べ物がいったい何なのかを知らずに、ただ食べたいものをおいしく食べているだけでよいのでしょうか?そのうえテレビで健康に良いと言われる食材や商品をプラスして食べ、健康になれた気になっているだけではないでしょうか?そして、食のことには目を向けないで、お腹が空くまで運動すれば痩せると思ってしまっている(または思いたい)のではないでしょう?・ヽ力残念ながら、エネルギーの代謝の仕組みはそう単純ではありません。これがいわゆるカロリー神話というものですが、実は500キロカロリーを摂取した分、らないのです。本書では、これから挙げるカロリー計算さえもアテにならないということまで述べていきます。世の中にはカロリーのことさえ頭にない人もいますから、カロリーを参考にするのは悪いことではありませんが、カロリ—を信じすぎると、帳尻が合わなくなってきてしまいます。何度でも断言しますが、あなたがもし太っているなら、その原因は、食生活であることがほとんどです。それにもかかわらず、運動でなんとかしようとしているのは原因に対してのアプローチになりません。むしる逃げているということにほかなりません

 

もう一度いいます

 

太っているのは食生活が原因。それなのに食べた分運動すればいいという甘えがあるのです。そしてここがすこく重要なポイントなのですが、運動というのは大して消費カロリーを稼げていないにもかかわらず、それ以上に達成感を感じてしまうという大きな落とし穴があるのです。通常、体重50キログラムの人が時速8キロで30分間ランニングをすると、約200キロカロリ—を消費すると言われています。この運動の後は、汗もかいてすこく達成感を得ることができます。だから自分にこ褒美として食べ物や飲み物をあげたくなったり、これだけがんばったんだから少しぐらい多く食べても大丈夫、となってしまうのです。もう一度考るてみましょう。ランニング30分で消費できるのは、たった200キロカロリーです。体脂肪ーキログラムあたりで7200キロカロリーエネルギーを持っていると言われますが、これをもし毎日がんばっても1か月で600 0キロカロリ—。体脂肪は1キログラム分も減らないのです。つまり、毎日30分ランニングをがんばってもこの程度ということ。運動後の達成感から少し多く食べるとなると、200キロカロリ—程度であれば、菓子パンひとつ、スナック菓子なら半袋で摂取可能です。こんなに簡単に、運動した分がリセットされてしまいます。今日はたくさん運動したから、も我慢しているチョコレートを少し食べよう、なんてことをしていませんか?運動をがんばっているのに痩せない理由はこういうところにあるのです

 

さらにダイエット失敗に拍車をかける方法に「ダメなら運動の種類を変えようとする」ことが挙げられます。ランニングよりも水泳のほうが消費カロリーが多いという情報を得て、今度は水泳を始めるという方も多いですね。水泳に変えても消費カロリーは毛の生えた程度にしか変わりません。水泳は泳法や人によって、またスキルによっても異なるのですが、クロールを30分泳ぎ続けてだいたい250キロカロリ—程度です。まあ、これなら毎日泳げば1か月で1キロの体脂肪を落とすことができるかもしれません。しかし、毎日泳げる環境と時間があればの話です。そして、水泳をやったことがある人は皆さんこ存じでしょうが、水泳をした後はものすこくお腹が空きます。運動後の達成感はランニングの比ではないかもしれません。これはつまり、運動強度が上がった分、食への欲求が増してしまうということなのです。だんだんこ理解いただけてきたのではないかと思いますが、運動によってカロリーを消費すると、体のメカニズム上、カロリー摂取に対する欲求は上がります。当然のことです。人は食べ物を食べれば食べるほど、食べたいという欲求が強くなっていきます。運動をしているという安心感や、運動直後の達成感は、あなたが痩せるために抑えている食への欲求を余計につらい状態へ追い込んでいるということです。つまり、普段食べすぎてしまっているためにすでに高まっている食欲を抑えてダイエットしなければならないところに、運動をすることでさらに食べたい欲求を強めるという、地獄状態を自分で作り出しているのです。基本的にダイエット指導者は適度に食欲を抑えられていますから、どうしても食べてしまう人の気持ちが理解できません。

 

「お菓子はやめましょう」「お酒を控えてください」「極力、体を動かしましょう」こんなことは誰でも簡単に言えます。どうやったら痩せるかなんて実は本人もわかっている……だけどできない、というのがダイエット難民なのですから、指導する側ももう少しその気持ちを理解して、やれる分だけやってもらうように自然と仕向ける努力が必要です。私の経験上、痩せたいと考える人は、できるだけ短期的に結果を出したがる傾向があります。その気持ちから、やはり運動の量や強度を極端に増やしてしまうことが大いにあります。つまりこの方法だと食への欲求がピークに達しますが、短期的ならばがんばれてしまうため、食事制限も極端になります(毎食こんにゃくや、ところてんといったローカロリーなものしか食べない、等)。さて、こんな生活が1、2か月も続くでしょうか。続くわけがありませんよね。続ければ2、3キロの体重は落ちるでしょうが、待っているのは「リバウンド」です。運動で体内のエネルギ—を消費できるということに間違いはありません。カロリー消費量が上がれば、体脂肪が燃やされます。しかし、体脂肪というものは備蓄型エネルギーですから、すぐには使われないようにできています。ですから、強度の高い運動を行ったり、短期的に痩せようとがんばって運動をしても、その際に消費しているエネルギーのほとんどは肝臓や筋肉に蓄えられている即効型エネルギーであるグリコーゲンと言われるものです。つまり、糖質です。

 

そして、糖質が使われると私達の体は早くそれを元の状態に戻したがるので、運動をすると糖質がほしくなります。った炭水化物です。お菓子も糖質が豊富ですから同じです。こ飯やパン、麺類とい格闘技やボディビル等の減量を行うスポ—ツ選手は、ため運動をしながら極限の食事に耐えられます。ですが、一般の人達がこのような確固たる目的を持ってダイエットをしているかと言ったらそうではないでしょう。唯一張りあえるとしたら、結婚披露宴を控えた女性くらいではないでしょうか(笑)。どちらにせよ、短期的にそれが行えたとしても、良い状態を継続できなければ意味がありません。試合やコンテスト、大事な時にはバッチリのスタイルを作れるが、その後はひどいことになる……という人もかなり多いですから、がんばって耐えるということは肉体的にも精神的にもおすすめできません。この糖質への欲求に耐えうる精神力がとてつもなく強い上に、試合という目標があるというわけで、運動をメインに考えるダイエットは、強い精神力と短期的な結果を求めている場合を除き、長期的には向かない方法だ、いうことをこ理解いただけましたでしょうか。食べた分だけ動けばいいという考えは(まったくの間違いではありませんが)、現実的に見てイバラの道ということです。本当のダイエットとは、そんなにつらくはありません。食事を制限するのではなく改善していくことが大切なのです。

 

 

 

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