猫背・反り腰・O脚が整体で治らない方へ|大阪・東大阪で「戻らない姿勢」に変えるという選択肢

姿勢矯正に通った。骨盤矯正も受けた。整体で「はい、まっすぐになりましたよ」と鏡を見せられて、確かにその場では変わっている。

ところが、店を出て何歩か歩くうちに元に戻る感じがする。翌日にはもう、いつもの自分の立ち方に戻っている。

「背筋を伸ばして」と言われるたびに思う。分かってる。でも、続かないんです。

先に結論をお伝えします。続かないのは、意志が弱いからではありません。その形を保てる条件が、まだ体に揃っていないだけです。

30秒で結論

  • 姿勢は意識でつくる形ではなく、無意識が選んでいる立ち方です。起きている時間のほとんどは自動運転で、意識が担当できるのは、そのうちのごくわずかです。
  • そして自動運転は、いつも一番ラクな形を選びます。関節が動かず、支える力もない体にとって、猫背や反り腰は「サボり」ではなく最も省エネな解答です。体は正しく怠けています。
  • だから「背筋を伸ばして」が続かないのは当然です。良い姿勢を保てる人は、我慢しているのではなく、その形がラクな人です。
  • 骨は、自分では1ミリも動きません。動かしているのは筋肉、筋肉を動かしているのは神経の指令です。矯正で位置を押しても、置いている側(筋肉と指令)が変わっていなければ、骨は元の場所へ戻ります。戻るのは、体が壊れているからではなく、正常に働いているからです。
  • 猫背・反り腰・O脚は、別々の3つの問題ではありません。土台である骨盤の向きが変われば、その上の背骨も、下にぶら下がる脚も同時に変わります。ひとつの並び方が、背中・腰・脚という別の場所に出ているだけです。
  • とくに誤解が多いのが反り腰です。反り腰の人は「腰を反らせている」のではありません。骨盤が前に倒れたぶん、その上の背骨がつじつまを合わせて反っているだけです。腹筋運動を足しても土台の向きは変わりません。
  • 姿勢を決めているもう一つの主役が呼吸です。息を吐ききれず肋骨が開いたままの人は、「吸った形」で固定されます。胸を張った良い姿勢に見えて、実は空気が抜けていないだけ、ということが起こります。
  • 大阪・関西で相談先を探すなら、「評価をしてくれるか」「形を変えた後に、その形で動ける条件を作る工程があるか」の2点で見てください。この2つが無い矯正は、また戻ります。
  • 成長期のお子さんの背骨の左右差、高齢の方の急激な背中の丸まり、姿勢を戻すとしびれが出る場合は、この記事ではなく先に整形外科へ

この記事が答える質問

  • 整体や姿勢矯正で猫背・反り腰が治らないのはなぜか?
  • 骨盤矯正は意味がないのか? その場で変わったのに、なぜ戻るのか?
  • 「背筋を伸ばしなさい」が続かないのは、意志が弱いからなのか?
  • 反り腰は腹筋が弱いから起こるのか?
  • 猫背・反り腰・O脚は、それぞれ別に直すものなのか?
  • 姿勢矯正ベルトや筋トレで姿勢は変わるのか?
  • 姿勢は見た目だけの問題なのか?
  • 子どもの猫背は、どこまで様子を見ていいのか?
  • 大阪・関西で相談先を選ぶとき、何を基準にすればいいのか?

まず——この姿勢の変化は医療機関へ

姿勢の話には、施術ではなく診断が先に必要なものが混ざっています。以下に当てはまる場合は、相談先を探す前に整形外科を受診してください。役割分担の話であって、脅かしているのではありません。

  • 成長期(小学校高学年〜中学生ごろ)のお子さんで、背骨が左右に曲がって見える/肩の高さや肩甲骨の出っぱりに左右差がある。前かがみになったとき、背中の片側だけが高く盛り上がるなら、側弯症(そくわんしょう)——背骨が横にねじれながら曲がる状態の可能性があります。成長期は進行が早く、時期によって取れる手段が変わります。学校検診で指摘されたなら、必ず整形外科へ。
  • 高齢の方で、短期間に急に背中が丸くなった/身長が縮んだ/背中に強い痛みが出た。これは背骨の圧迫骨折を疑うサインです。転んだ覚えがなくても起こります(「いつのまにか骨折」と呼ばれます)。
  • 姿勢を正そうとすると、脚にしびれや痛みが走る/力が入らない。神経が関わっている可能性があり、まず画像検査が必要です。
  • 排尿・排便がしにくい、股のあいだの感覚がおかしい、両脚に力が入らない。これは緊急です。すぐ受診してください。
  • 転倒・事故のあとに姿勢が変わった。

診断ができるのは医療機関だけです。これらが当てはまらない、あるいは受診して「骨に異常はありません」と言われた方に向けて、以下を書きます。

なぜ「背筋を伸ばして」が続かないのか

まず、この一点をはっきりさせておきます。続かないのは正常です。

姿勢を保つ仕事は、意識がやっているのではありません。立っているとき、体は絶えず前後左右に微妙に揺れていて、それを足の裏の感覚・内耳のバランス装置・目からの情報を使って、脳が自動で立て直し続けています。この作業は、意識の下(脳幹や小脳といった、自分では操作できない層)で走っています。

つまり姿勢は、自動運転が9割以上です。

では意識は何をしているか。「あ、猫背だ」と気づいた瞬間に、上から手を加えているだけです。1日16〜17時間の活動時間のうち、姿勢を意識できている時間を全部足しても、おそらく数分でしょう。残りは全部、自動運転が選んだ立ち方です。

そしてここが肝心なのですが、自動運転は「一番ラクな形」を選びます。

体は、余計なエネルギーを使いたくありません。だから、筋肉で支えるより、骨と靭帯にもたれかかれる形を探します。股関節が硬く、腹圧(お腹の中の圧力)が入らない体にとって、背中を丸めて骨盤を後ろに倒し、椅子の背に預ける形は、最も筋肉を使わずに済む解答です。反り腰も同じで、腰の関節を反らせて骨で引っかければ、腹筋を使わずに立っていられます。

猫背も反り腰も、怠けの結果ではなく、条件の足りない体が出した「正解」なのです。

だから、意識で上書きしようとすると何が起こるか。

  • 胸椎(背中の上部の背骨)が反れない人が背筋を伸ばそうとすれば、反れるのは腰しかありません。腰を反らせて胸を張り、腰が疲れてやめます。
  • 股関節が硬い人が骨盤を起こそうとすれば、太ももの前とももの付け根が突っ張ります。数分でしんどくなってやめます。
  • 支える力がない人が良い姿勢をつくれば、それは腕を上げ続けているのと同じ状態です。筋肉で形を保っているので、疲れたら下ろします。

3日坊主なのではありません。筋肉で形を保つやり方は、そもそも続かない設計なのです。

ここから見えてくる答えは一つです。目指すべきは「良い姿勢を保てるようになること」ではなく、「良い姿勢がラクになること」です。ラクになれば、意識しなくても自動運転がそれを選びます。姿勢は、頑張って維持するものではなく、条件が揃えば勝手にそうなるものです。

猫背・反り腰・O脚は同じ1本の話

多くの方が、この3つを別々の悩みとして持っています。「猫背を治したい」「反り腰を治したい」「O脚が気になる」。ところが体の側から見ると、これらは同じ1本の話が、違う場所に出ているだけです。

理由は単純で、骨盤が体の真ん中の土台だからです。骨盤の上には背骨が乗り、下には脚がぶら下がっています。土台の向きが変われば、上も下も同時に変わります。

骨盤が前に倒れたとき(骨盤前傾)

骨盤が前にお辞儀をするように倒れると、その上に乗っている腰の背骨(腰椎)は、倒れた分を打ち消そうとして反ります。これが反り腰です。

ここが最大の誤解ポイントです。反り腰の人は、腰を反らせているのではありません。土台が傾いたので、その上の柱が傾きを相殺しに行った結果、反った形になっているだけです。本人には「反らせている」自覚はありません。当然です、自動運転がやっていることですから。

だから、腹筋運動をどれだけ足しても反りは残ります。土台の向きに手をつけていないからです。

そして腰が反ると、今度はその上の背中(胸椎=肋骨がついている部分の背骨)が、バランスを取るために丸まります。「反り腰なのに猫背」は矛盾ではなく、セットで起こるのはこのためです。腰で反った分を、背中で戻している。体は一本の柱なので、どこかで反ったら、どこかで丸めないと前に倒れてしまいます。

さらに下へ。骨盤が前に倒れると、股関節の骨(大腿骨=太ももの骨)は内側にねじれやすくなります。膝が内を向き、足の内側のアーチ(土踏まず)が落ちる。脚のラインが崩れて見えるのは、この段階です。

骨盤が後ろに倒れたとき(骨盤後傾)

逆に骨盤が後ろに倒れると、腰のカーブが消えて、背中全体がのっぺりと丸くなります。長時間座る生活の方に多い形です。

このとき、股関節は外へねじれ、体重は足の外側に乗ります。膝は外へ張り出す方向に押され、O脚として目に見える形になります。太ももの外側だけが張って硬く、お尻の筋肉(大殿筋・中殿筋=お尻の後ろと横の筋肉)は伸ばされっぱなしで働けません。

O脚について、正直に書いておきます。骨そのものが変形しているケース(変形性膝関節症が進行した状態、生まれつきの骨の形)はあります。それは整形外科で診るべきものです。ただし、日常で「O脚」と呼ばれている脚のラインには、骨の形ではなく、立ち方と回旋(ねじれ)で作られている部分がかなり含まれています。骨の形は変えられませんが、ねじれと体重の乗る位置は変えられます。ここを分けて考えないと、「もう手術しかない」と早合点することになります。

だから「猫背だけ」は直せない

まとめます。

骨盤の向き 背中
前に倒れる(前傾) 反る=反り腰 打ち消すために丸まる=猫背 内へねじれる・アーチが落ちる
後ろに倒れる(後傾) カーブが消える 全体が丸まる=猫背 外へねじれる・O脚に見える

猫背という一つの見た目に、まったく違う2つの成り立ちがあることが分かると思います。だから「猫背にはこの体操」という一律の答えは存在しません。同じ猫背でも、やるべきことが逆になります。

そして、1か所だけを押し戻すこともできません。背中を伸ばせば、骨盤か首がつじつまを合わせに来ます。体は必ずどこかで帳尻を合わせるからです。変えるなら、土台から順に変えるしかありません。

「骨盤矯正」で位置を動かしても戻るのはなぜか

ここが、この記事で一番お伝えしたい部分です。

骨は、自分では1ミリも動きません。骨には動く機能がないからです。骨を動かしているのは筋肉で、その筋肉に「縮め」「ゆるめ」と指示を出しているのは神経です。

ということは、今のあなたの骨の位置は、筋肉の引っぱり合いのバランスが決めた結果だということになります。前が強ければ前に、片側が短ければそちらへ。骨は、引っぱられたところに立っているだけです。

テントを思い浮かべてください。真ん中のポールがまっすぐ立っているのは、四方に張った綱の張り具合が揃っているからです。片側の綱だけが短ければ、ポールはそちらへ傾きます。

このとき、傾いたポールを手で押して起こしても、手を離せば元へ戻ります。綱の長さが変わっていないからです。

矯正で起きているのは、これと同じことです。施術中は外から力が加わっているので、位置は変わります。鏡を見れば実際にまっすぐになっています。それは本物の変化です。ただし、綱(筋肉の張力)と、綱の張り具合を決めている指令(神経)には触れていません。だから施術台を降りて自分の足で立った瞬間、いつもの張力バランスが、骨をいつもの場所へ連れ戻します。

さらにもう一段あります。神経系は、「これが自分のまっすぐ」という基準を持っています。長年その立ち方をしてきた人にとっては、傾いた位置こそが「まっすぐ」です。だから外から真ん中に置かれると、体は違和感を覚え、基準のほうへ戻そうとします。姿勢矯正の直後に「なんか変な感じ」「落ち着かない」と感じたことがある方は多いと思いますが、あれは失敗ではなく、基準とのズレを体が正しく検知しているサインです。

つまり、戻るのは、体が壊れているからではありません。体が正常に働いているからです。

ついでに、よく聞かれることを書いておきます。矯正のときに「バキッ」と鳴る音は、骨の位置が変わった音ではありません。関節の中の液体に生じた気泡がはじけるときの音で、指を鳴らすのと同じ現象です。音が大きいほど効いた、ということもありません。音は結果の指標にはならない、という話です。

では、何が変われば戻らなくなるのか。答えは一つです。

その新しい位置で、息が吸えて、支えられて、歩ける——という経験を、体に積ませることです。

新しい位置で呼吸ができれば、体はそこを「安全な場所」と判断します。新しい位置で支えられれば、筋肉は力ずくで引っぱり戻す必要がなくなります。新しい位置で歩ければ、神経の基準そのものが更新されます。ここまでやって初めて、体は自分の意思でその位置を選びはじめます。

位置を押すのが矯正、位置を選び直させるのが機能改善です。別の作業なのです。

呼吸が姿勢を決めている

姿勢の話をするとき、多くの人が思い浮かべるのは筋肉と骨です。ところが臨床で見ていると、姿勢を最も強く決めているのは呼吸であることが少なくありません。

理屈は簡単です。息を吸うと肋骨が上がって広がり、背骨はわずかに反ります。吐くと肋骨が下りて、背骨は丸まる方向へ動きます。つまり、呼吸のたびに姿勢は動いているわけです。1分に12〜16回、これが一生続きます。

問題は、吐ききれていない人です。

息を吐ききると、肋骨は下りて閉じます。ところが、この「吐ききる」ができないまま生活している方がいます。肋骨が開いたまま下りてこない。すると体は、常に「吸った形」で固定されることになります。

この形が、どう見えるか。胸を張って、肋骨の下側が前に出て、腰が反った姿勢です。

ここが厄介なところで、この形は「良い姿勢」に見えます。胸を張っているのですから。しかし中身は、良い姿勢ではなく、空気が抜けていない状態です。写真では姿勢が良く写るのに腰が慢性的に張る、という方には、しばしばこれが起きています。

腹圧——天然のコルセットが効かない体

もう一つ、呼吸と姿勢をつなぐ核心があります。腹圧(ふくあつ)です。

腹圧とは、お腹の中の圧力のことです。お腹を風船のようにふくらませて、体の中心に硬い芯をつくる力。いわば天然のコルセットです。これが効いていれば、背骨は自分の力で立ち、背中の筋肉は形を保つ仕事から解放されます。

ただし、風船は勝手にふくらみません。上下にフタと底が必要です。

  • フタ=横隔膜(おうかくまく。肋骨の内側にある、呼吸の主役の膜)
  • 底=骨盤底筋(こつばんていきん。骨盤の底でハンモックのように内臓を支える筋肉)

この2つが上下でまっすぐ向き合っているとき、はじめて圧が抜けずに保てます。逆に、肋骨が開いて上を向き、骨盤が前に倒れて下を向いていると、フタと底がズレます。ズレた容器に空気を入れても、横や上に逃げるだけです。いくら力んでも芯ができない。これが「天然のコルセットが効かない体」です。

芯がない体は、どうやって立つか。背中の筋肉が、力ずくで形を保ちます。

これが、「背筋を伸ばすとすぐ疲れる」の正体です。腕を上げ続けているのと同じで、筋肉の持久力が尽きたら下ろすしかない。意志ではなく、単純な物理です。

逆に言えば、吐ききれるようになり、肋骨が下りて骨盤と向きが揃うと、腹圧が入り、背骨は自分の力で立ちます。このとき、良い姿勢は「頑張って保つもの」から「ラクだから選ぶもの」に変わります。冒頭に書いた「良い姿勢がラクになる」とは、具体的にはこの状態のことです。

姿勢を変える工程に呼吸が入っていなければ、それは形の話で終わります。相談先を選ぶとき、ここは一つの見分け方になります。

大阪・関西で相談先を探すときの、選択肢の違い

「猫背 矯正 大阪」「骨盤矯正 東大阪」で検索すると、大量に出てきます。ただ、役割がまったく違うものが同じ画面に並んでいます。ここを分けて考えると、遠回りが減ります。

相談先 向いているケース 向いていないケース 保険 期待できること
整形外科 側弯症の疑い、急な背中の丸まり、しびれや脱力を伴う、痛みの原因を確定したい 検査で異常がなく、見た目と疲れやすさが主訴 適用 診断・画像検査・投薬。危険な状態の除外。ここでしかできない
整骨院・接骨院 急性の外傷(打撲・捻挫・骨折の応急) 慢性的な姿勢の崩れ、見た目の改善 外傷は適用/姿勢は自費 外傷への施術。姿勢は院ごとに内容が大きく異なる
整体・カイロプラクティック 張りや重さを一時的にゆるめたい、まず楽になりたい 「戻らない状態」まで求めている 自費 緊張の緩和、可動域の一時的な改善。その場では変わる
姿勢矯正・骨盤矯正専門 現状を見た目で把握したい、施術を受ける習慣をつくりたい 何度も通ったのに戻り続けている 自費 位置の一時的な変化。位置を保つ条件を作る工程が無ければ戻る
パーソナルトレーニング 可動域と呼吸の条件が整っており、そこに強さを足したい 硬い・支えられない状態のまま負荷を上げたい 自費 筋力と持久力。評価を挟まないと代償運動ごと鍛えることになる
評価にもとづく機能改善(当院) 何軒も回って戻り続けている、原因を知ってから進めたい 診断名が欲しい、画像を撮りたい 自費 どこが動かず何がつじつま合わせをしているかの評価と、条件づくりから動作への再学習

選び方の目安:診断を受けていないなら整形外科が先です。危険なサインがなく、それでも戻り続けているなら、「評価をしてくれるか」「形を変えた後に、その形で動ける条件を作る工程があるか」——この2点で選んでください。この2つが無い矯正は、また戻ります。逆に言えば、この2つがあるなら、看板に何と書いてあるかは大きな問題ではありません。

なお、当院は診断を行いません。画像検査もできません。医療機関との役割分担が前提です。

実際に、何を見るのか

当院では、姿勢を直しにかかる前に評価をします。順番はこうです。

  1. 今どう並んでいるか ── 骨盤の向き、肋骨の開き、背骨のカーブ、膝と足の向き。横からと後ろから、両方見ます
  2. 関節が動くか(可動域)── 股関節の曲げ伸ばしとねじり、足首の曲がり、胸椎の反りとねじり。「動かないから、その形になっている」のか、「その形だから動かない」のかを分けます
  3. 呼吸がどこで行われているか ── 吐ききれるか、肋骨が下りるか、横隔膜と骨盤底が向き合っているか
  4. 支えられるか(安定性)── 片脚立ちで骨盤が水平を保てるか、腹圧が入るか
  5. 動きの中でどうなるか ── 歩く、しゃがむ、階段を1段のぼる。姿勢は静止画ではなく、動きの途中で崩れるので、動作で見ます
  6. 生活のどこに出ているか ── 座り方、立ち方の癖、靴底の減り方(これがよく語ります)

そのうえで、動かない場所を動かし、呼吸を戻し、支えられる条件を作ってから、立ち方と歩き方に戻します。

順番が肝心です。硬いまま鍛えれば、崩れた並びごと強くなります。ゆるめただけで動作に戻さなければ、体は元の(ラクな)立ち方を選び直します。条件を作る工程と、それを日常の動きに乗せる工程は、必ずセットです。

その場でできるセルフチェック

ご自身の姿勢がどの成り立ちなのか、目安になるチェックを3つ挙げます。壁と、10秒あればできます。

① 壁立ちテスト(骨盤の向きを見る)

かかと・お尻・背中を壁につけて立ち、力を抜きます。この状態で、腰と壁のすき間に手を差し込んでみてください。

  • 手のひら1枚がちょうど入る → 標準的なカーブです
  • こぶしが入る、手が余裕で通る → 骨盤が前に倒れ、腰が反っています(反り腰)
  • 手のひらが入らない、指先しか入らない → 骨盤が後ろに倒れ、腰のカーブが消えています

どちらの方向にズレているかで、やるべきことは逆になります。「反り腰だと思っていたら後傾だった」は珍しくありません。自己判断で反対の体操をしていた、という方をよくお見かけします。

② しゃがみ込み(股関節と足首の折りたたみを見る)

足を肩幅に開き、つま先はまっすぐ前。かかとを床につけたまま、しゃがみ込めますか。

  • かかとが浮く
  • 後ろに倒れそうになる
  • 膝が内側に入る

いずれかがあれば、股関節と足首が折りたためていません。折りたためない体は、立っているときも骨盤の向きを固定するしかありません。姿勢が変わらない下地は、たいていここにあります。

③ 片脚立ち(土台の支えを見る)

片脚を軽く上げて10秒立ちます。鏡を正面から見てください。

  • 上げている側の骨盤が、ストンと下がる
  • 上半身が支えている脚の側へ大きく倒れる
  • 支えている膝が内側に入る

これらが出るなら、お尻の横の筋肉(中殿筋)が骨盤を水平に保てていません。中殿筋が働かないと、歩くたびに骨盤が左右へ落ち、その揺れを腰と膝が受けます。O脚に見える脚のライン、片側だけの腰の張り、膝の内向き——このチェックで出る崩れは、それらと直結しています。

どれか一つでも当てはまるなら、姿勢そのものより先に、整えるべき条件があります。

遠方(奈良・堺・神戸)から通われている方について

東大阪の院には、奈良・堺・神戸など府外からも来院されています。京都から来られる方もいらっしゃいます。

姿勢の相談で遠方から来られる方に共通しているのは、「近所で何軒か通ったが、なぜその姿勢になっているのかを説明してもらえなかった」という点です。毎回同じように矯正を受け、その場で鏡を見せられ、数日で戻る。それを繰り返してきた方が多くいます。

初回は評価から始めます。骨盤がどちらへ倒れているのか、どこが動かず、何がつじつま合わせをしているのかをお伝えし、通う頻度もそこで一緒に決めます。遠方の方には、ご自宅で行う工程を厚めに設計します。姿勢は一日の過ごし方の影響が大きいので、座り方・立ち方・靴の選び方まで含めて組み立てます。

よくある質問(FAQ)

何回くらい通えば姿勢は変わりますか?

立ち方と体の感じが初回で変わる方は多くいます。可動域の制限が主な原因である場合、動く場所が動き出すだけで、その場で並びが変わることは珍しくありません。ただし、それが無意識の選択として定着するまでは別の話で、体の状態と一日の負荷によって変わります。初回の評価のあとに、何が原因で、何をどの順番で行うのかと合わせて見通しをお伝えします。回数だけを先に決める形はとりません。

筋トレをすれば姿勢は良くなりますか?

順番によります。条件が揃った体に強さを足すのは非常に有効です。しかし、硬いまま、支えられないまま負荷をかけると、崩れた並びごと鍛えることになります。たとえば背筋を鍛えて猫背を直そうとすると、多くの場合、腰を反らせる力が強くなるだけで、背中の丸みは残ります。反り腰の方が腹筋運動を足すと、股関節の前を縮める運動になって、かえって骨盤が前に倒れることもあります。まず動く体・支えられる体を作り、そのうえでトレーニングに進むと、同じ種目が別物の効果を出します。

姿勢矯正ベルトは使っていいですか?

短期的な補助としては使えます。長期の解決策にはなりません。ベルトは外から形を作る道具です。つけている間は肩が引かれ、姿勢が整って見えます。ただし、外から支えている間、本来その仕事をすべき筋肉は働く必要がなくなります。長時間・長期間つけ続ければ、支える力はむしろ落ちていきます。「大事な場面だけつける」「仕事の後半だけ使う」といった限定的な使い方は現実的です。ただし、ベルトを外したときにどうなるかが本題であることは、忘れないでください。

骨盤矯正は意味がないということですか?

その場の変化には意味があります。問題は、そこで終わるかどうかです。位置が変わった状態は、新しい立ち方を体に覚えさせるための良い条件でもあります。ゆるんで、位置が整った直後は、いわば書き換えのチャンスです。ここで呼吸と支えと歩き方を通せば、変化は残ります。通さなければ、翌日には元の位置です。矯正が悪いのではなく、工程が半分で終わっているという話です。

姿勢は見た目だけの問題ではないのですか?

見た目は入口で、本題は痛みと呼吸です。理由は2つあります。

1つは負担のかかり方です。骨盤が前に倒れて腰が反っていれば、腰の後ろの関節に体重が集中し続けます。骨盤が後ろに倒れて背中が丸ければ、椎間板の前側に圧が集まり、首の後ろが頭を支え続けます。今は疲れやすいだけでも、これは10年20年かけて効いてくる負荷です。姿勢の相談に来られた方が、数年後に腰痛や膝の痛みで戻ってこられる——という順番を、臨床では何度も見ています。

もう1つは呼吸です。前の章で書いたとおり、肋骨が開いたまま、あるいは背中が丸まったままだと、横隔膜が十分に動けません。息が浅くなると、疲れが抜けにくくなり、集中も続きにくくなります。姿勢を整えることは、呼吸の容量を取り戻すことでもあります。

見た目が変わることは、その副産物として現れます。順番が逆ではありません。

子どもの猫背は、放っておいていいですか?

まず、側弯症でないことを確認してください。背骨が左右に曲がっていないか、前かがみになったときに背中の片側だけが盛り上がらないか。左右差があれば整形外科です。成長期は進行が早いので、ここは様子を見る場面ではありません。

左右差がなく、前後の丸まりだけであれば、叱って直すものではありません。「背筋を伸ばしなさい」と言われて伸ばせるなら、その子は元から伸ばせます。伸ばせないのは条件が足りないからで、それは大人と同じ構造です。むしろ子どもの場合、外遊びの量が減り、しゃがむ・ぶら下がる・全力で走るという動きの経験が足りていないことが背景にあることが多くあります。体操やストレッチを課すより、股関節と背骨をいろいろな方向に使う遊びの時間を増やすほうが、結果的に早いことがよくあります。

反り腰は腹筋が弱いから起こるのですか?

弱さより先に、位置の問題であることがほとんどです。腹筋(とくにお腹の深いところの筋肉)は、働ける位置に骨盤と肋骨が揃っていないと、力を出しようがありません。肋骨が開いて上を向き、骨盤が前に倒れていると、お腹の筋肉は伸ばされきった状態で、力の入れどころがなくなります。この状態でいくら腹筋運動をしても、使われるのは股関節の前の筋肉で、骨盤はさらに前へ引かれます。まず肋骨を下ろし、骨盤の向きを揃えて、お腹の筋肉が働ける位置を作る。位置が先、力は後です。

O脚は骨が曲がっているのだから、手術しかないのでは?

分けて考えてください。骨そのものの変形(変形性膝関節症の進行、生まれつきの骨の形)であれば、それは整形外科の領域で、まずレントゲンで確認すべきです。一方で、日常で「O脚」と言われている脚のラインには、股関節と脛のねじれ、体重が足の外側に乗る立ち方、お尻の横の筋肉が働いていないことによって作られている部分が含まれています。骨の形は変えられませんが、ねじれと荷重の位置は変えられます。変えられる部分がどれだけあるかは、評価すれば分かります。確認せずに諦める理由はありません。

何軒も通いました。もう変わらないのでしょうか。

回った軒数ではなく、通った工程の種類を見てください。何軒回っても、すべてが「位置を押す」施術であれば、実質的に同じことを繰り返しています。評価と、呼吸・支え・動作の作り直しを一度も通っていない方が、非常に多くいます。工程が変われば、体の反応も変わります。

東大阪まで通えないのですが。

大阪市内はもちろん、奈良・堺・神戸・京都からも来院されています。頻度は初回に相談のうえ決めます。遠方の方には、ご自宅で行う工程を厚めに設計します。


スポーツ・ゴルフをされる方へ

姿勢を整える工程は、そのまま動きの土台になります。

骨盤の向きが揃い、股関節が動き、腹圧で体幹が支えられる——これは良い姿勢の条件であると同時に、体をねじって力を伝えるための条件でもあります。骨盤が前に倒れたままの人は、回っているつもりで腰だけをねじっています。肋骨が開いたままの人は、構えた時点ですでに息が入りません。

だから当院では、姿勢の改善とパフォーマンスの改善を分けずに扱います。ゴルフについては、下記の記事で詳しく書いています。

おわりに

姿勢が変わらないとき、多くの人は自分を責めます。意志が弱い、続けられない性格だ、もう歳だから、と。

そうではないことのほうが多い。続かないやり方を、続けようとしてきただけです。

姿勢は、意識で保つものではありません。無意識が、一番ラクな形を選んだ結果です。だから変えるべきは意識ではなく、「何がラクか」を決めている条件のほうです。骨盤が動き、肋骨が下り、息が吐けて、支えられる。条件が揃えば、体は勝手にその形を選びはじめます。

頑張らなくても、そこにいられる姿勢。目指すのはそちらです。

ご相談ください

東大阪Mitz BestPerformance(メディカルゴルフラボ)

  • 所在地:大阪府東大阪市長堂1-2-20 陣内ビル2F(近鉄布施駅すぐ)
  • 電話:06-7161-4593
  • 対応:猫背・反り腰・O脚などの姿勢の相談、腰痛、肩こり・首の痛み、坐骨神経痛、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症(術後を含む)、スポーツ復帰
  • 来院エリア:東大阪・大阪市内のほか、奈良・堺・神戸・京都など府外からも来院されています

初回は評価からお受けします。骨盤がどちらへ倒れているのか、どこが動いていないのか、何をどの順番で行うのかを、その場でお伝えします。

ご予約・ご相談は true-function.com から、またはお電話でどうぞ。

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著者について

鈴木密正(すずき みつまさ)

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師(国家資格3種)。PRI・DNS・機能的動作分析にもとづき、痛みの改善とパフォーマンスを同じ枠組みで扱う。臨床20年。東大阪Mitz BestPerformance 代表。

※当院は診断を行いません。器質的疾患が疑われる場合、および上記の受診すべきサインがある場合は、医療機関の受診を優先してください。

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