整体に通った。整骨院にも行った。マッサージも鍼も試した。
そのときは確かに軽くなる。でも、二日か三日で元に戻る。ひどいときは、翌朝もう戻っている。
何軒か回るうちに、こう思い始める。私の腰は、もう治らないのかもしれない。
先に結論をお伝えします。治らないのではありません。緩めることと、戻らない体にすることは、別の作業だからです。
30秒で結論
- 施術直後に軽くなるのは、筋肉の緊張が一時的に下がったからです。これは本物の変化です。ただし、その緊張を作っていた原因には触れていません。
- 腰は、他の関節が動かない分を肩代わりする場所です。股関節が回らなければ腰椎が回り、胸椎が反らなければ腰が反ります。これを代償運動と呼びます。
- つまり、腰そのものは被害者であることが多い。加害者は股関節・胸椎・足関節・腹圧のどれかです。
- だから、腰だけを緩めて帰ると、次の日から同じ肩代わりが再開します。戻るのは当然で、あなたの体が特別なわけではありません。
- 必要なのは2工程です。①肩代わりさせている元を動くようにする ②腰が肩代わりしなくていい動き方に作り直す。②を飛ばすと、体は元のやり方を選び直します。
- 大阪・関西で相談先を探すなら、「評価をしてくれるか」「緩めた後に動作を作り直す工程があるか」の2点で見てください。この2つが無い施術は、多くの場合また戻ります。
- 以下の症状がある場合は、この記事ではなくすぐ医療機関へ。排尿・排便の障害、股のあいだの感覚異常、両脚の脱力です。
この記事が答える質問
- 整体で腰痛が治らないのはなぜか?
- その場で軽くなるのに、なぜ数日で戻るのか?
- 整骨院・鍼灸・マッサージ、どれが正解なのか?
- 何軒も回ったが改善しない。もう治らないのか?
- 大阪・関西で相談先を選ぶとき、何を基準にすればいいのか?
- どういう症状なら、迷わず病院へ行くべきか?
まず、緊急のサインを確認してください
以下がある場合は、施術を探している場合ではありません。今すぐ医療機関を受診してください。
- 排尿・排便がしにくい/出にくい/感覚がない
- 股のあいだ(会陰部)の感覚が鈍い、ジンジンする
- 両脚に力が入らない、歩けない
- 発熱を伴う強い腰背部痛
- 安静にしていても激しく痛み、夜間に悪化する
- 転倒・事故のあとに強い痛みが出た
これらは馬尾症候群や骨折など、時間が予後を左右する状態のサインです。整体・トレーニングの領域ではありません。
以下は、これに当てはまらない方に向けた話です。
なぜ「その場で軽くなるのに、戻る」のか
これは施術者の腕の問題ではありません。作業の種類が違うという話です。
施術で行っているのは、多くの場合緊張を下げることです。硬くなった筋肉を緩め、関節の動きを一時的に取り戻す。だから直後は軽くなります。ここまでは、ちゃんと効いています。
問題はその先です。その緊張は、なぜ生まれたのか。
筋肉が硬くなるのには理由があります。使いすぎたか、あるいは他の場所の代わりに働かされていたか。後者の場合、緩めて帰った瞬間から、また同じ肩代わりが始まります。
つまりこういうことです。
蛇口を閉めずに、床を拭いている。
床(腰の緊張)はきれいになります。でも蛇口(肩代わりを生む動作)が開いたままなら、翌日にはまた濡れています。何度拭いても同じです。
だから「何軒回っても治らない」という状態は、あなたの体が難しいのではなく、同じ作業を繰り返しているだけであることが多いのです。
腰は「加害者」ではなく「被害者」であることが多い
ここが機能解剖から見たときの核心です。
人間の関節には、動くのが役割の関節と、支えるのが役割の関節があります。おおまかに、股関節と胸椎は「動く」担当、腰椎は「支える」担当です。
とくに腰椎は、回旋(ねじり)の可動域がごくわずかしかありません。構造上、大きくねじれるようにできていないのです。
ところが、動く担当がサボると何が起きるか。
- 股関節が回らない → 振り向く・体をひねる動作を、腰椎が代わりに回る
- 胸椎(背中の上部)が反らない → 反る動きを、腰だけで作る
- 足首が硬い → しゃがむとき、膝と腰が余分に曲がる
- 腹圧が入らない → 体幹が支えられず、背骨まわりの筋肉が力ずくで支える
外から見ると、動作は成立しています。本人も「普通に動けている」と感じています。しかし中身は別物です。支える専門の関節が、動く仕事を毎日させられている。
これが続けば、腰の筋肉は緊張します。関節には負担が集中します。そして痛みが出ます。
痛いのは腰。でも、原因を作っているのは腰ではない。
だから腰だけを何度緩めても、股関節が動かないままなら、明日もまた腰が肩代わりします。
「レントゲンで異常なし」と言われた方へ
病院で撮影して「骨に異常はありません」「年齢相応です」と言われ、湿布と痛み止めで様子を見ている——この状態の方も多く来られます。
これは矛盾ではありません。画像に写るのは構造であって、動きは写らないからです。
レントゲンやMRIは、骨の形・椎間板の状態・神経の圧迫を見るものです。優れた検査ですが、「股関節が回っていない」「腹圧が抜けている」といった機能の問題は、写真には写りません。
つまり「異常なし」は、危険な病気がないという安心材料であって、「原因がない」という意味ではありません。むしろ、機能から診るべき典型的なケースです。
大阪・関西で相談先を探すときの、選択肢の違い
「腰痛 整体 大阪」で検索すると、大量に出てきます。ただ、役割がまったく違うものが同じ画面に並んでいます。ここを分けて考えると、遠回りが減ります。
① 整形外科(医療機関)
できること:診断、画像検査、投薬、ブロック注射、手術の適応判断。診断ができるのはここだけです。緊急サインの見極めも医療機関の役割です。
限界:構造的な異常がない場合、「様子を見ましょう」となることがあります。動作をどう変えるかまで指導が及ばないことが多いのが実情です。
② 整骨院・接骨院
できること:急性の外傷への施術。保険が使える範囲があります。
限界:慢性の腰痛は保険の対象外になることが多く、実際には自費の施術を組み合わせる形になります。施術の中身は院によって大きく違います。
③ 整体・カイロプラクティック・リラクゼーション
できること:緊張の緩和、可動域の一時的な改善。楽になる方は多くいます。
限界:「その場で楽になるが、戻る」という声が最も多いのがここです。理由は前述のとおりで、負担を生んでいた動作が変わっていないからです。
④ 鍼灸
できること:痛みの緩和、血流や自律神経への働きかけ。急性期には有効なことがあります。
限界:単独では動作の作り直しまで届きません。鍼で緩めた後、その状態で動作を学習し直す工程があるかどうかで結果が変わります。
⑤ パーソナルジム・トレーニング系
できること:筋力・持久力の向上。
限界:可動域と痛みの評価を挟まずに負荷をかけると、代償運動ごと鍛えることになります。腰痛のある方には悪化のリスクがあります。
⑥ 評価にもとづく機能改善(当院はここです)
できること:どこが動かず、どこが肩代わりしているのかを評価し、動かない場所を動くようにしてから、使える形で動作を作り直す。そのうえで日常動作・スポーツ動作に戻します。
限界:診断はできません。画像検査もできません。医療機関との役割分担が前提です。
選び方の目安:まだ診断を受けていないなら①が先です。診断がついていて、緊急サインがなく、それでも戻り続けているなら、「評価をしてくれるか」「緩めた後に動作を作り直す工程があるか」——この2点で選んでください。この2つが無い施術は、また戻ります。
実際に、何を見るのか
当院では、腰を触る前に体を評価します。順番はこうです。
- 関節が動くか(可動域)── 股関節、胸椎、足関節、肩甲帯
- 支えられるか(安定性)── 腹圧、片脚立位、体幹の支持
- 順番通りに働くか(連動)── 地面から順に力が伝わるか、どこで途切れるか
- その人の日常動作のどこに出ているか(動作との接続)
そのうえで、動かない場所を動かし、支えられる状態を作ってから、動作に戻します。
順番が肝心です。硬いまま鍛えれば、代償運動ごと強くなります。緩めただけで動作に戻さなければ、体は元の(腰で肩代わりする)やり方を選び直します。
その場でできるセルフチェック
ご自身の腰が「肩代わり」をさせられているかどうか、目安になるチェックを3つ挙げます。
① 股関節の内旋
椅子に浅く座り、片脚のかかとを床につけたまま、その足先を体の外側へ倒します。左右で倒れ方に差はありませんか。片方だけ明らかに倒れないなら、その側の回旋が出ていません。振り向く動作を腰が肩代わりしている可能性があります。
② 胸椎の回旋
椅子に座って両腕を胸の前で組み、骨盤を動かさないまま上半身だけを左右にひねります。45度ほど回りますか。骨盤が一緒に動いてしまうなら、胸椎ではなく腰で回しています。
③ 腹圧
仰向けで膝を立て、片手をお腹、片手を胸に置いて息を吸います。胸だけが膨らんで、お腹と脇腹が広がらないなら、腹圧が入っていません。体幹が支えられず、背中の筋肉が力ずくで支えている状態です。
どれか一つでも当てはまるなら、腰そのものより先に見るべき場所があります。
遠方(奈良・堺・神戸)から通われている方について
東大阪の院には、奈良・堺・神戸など府外からも来院されています。
腰の症状で遠方から来られる方に共通しているのは、「近所で何軒か回ったが、評価をしてもらえなかった」という点です。同じ施術を繰り返して、良くなったり戻ったりを繰り返してきた方が多くいます。
初回は評価から始めます。どこが動いていないのか、どこが肩代わりしているのかをお伝えし、通う頻度もそこで一緒に決めます。遠方の方には、ご自宅で行う工程を厚めに設計します。
よくある質問(FAQ)
整体で腰痛は治らないのですか?
緩めること自体は有効です。ただしそれだけでは戻ります。緩めた後に、負担を生んでいた動作を作り直す工程があるかどうかで結果が分かれます。整体が悪いのではなく、工程が足りていないという話です。
何軒も回りました。もう治らないのでしょうか?
回った軒数ではなく、通った工程の種類を見てください。何軒回っても、全部が「緩める」施術であれば、実質的に同じことを繰り返しています。評価と動作の作り直しを一度も通っていない方が、非常に多くいます。
マッサージは意味がないということですか?
意味はあります。緊張が強い時期には、まず緩めることが必要です。問題は、そこで終わるかどうかです。緩んだ状態は、動作を作り直すための良い条件でもあります。
通う頻度と期間はどのくらいですか?
可動域の制限が主であれば、初回で変化を体感される方が多くいます。動作として定着させるところまでは、体の状態や生活の負荷によって変わります。初回評価のあとに見通しをお伝えします。
腰を反らすと痛みます。ストレッチはしていいですか?
反ると痛む場合、腰が反りすぎている(胸椎の代わりに反っている)ことが多く、さらに腰を反らすストレッチは逆効果になりえます。評価なしに一般的なストレッチを行うのは勧められません。
筋トレをすれば腰痛は改善しますか?
順番によります。硬いまま、支えられないまま負荷をかけると、代償運動ごと鍛えることになります。動く体・支えられる体を作ってからであれば、トレーニングは強力な手段です。
レントゲンで異常なしと言われました。
画像に写るのは構造で、動きの問題は写りません。むしろ機能から診る対象として典型的です。危険な病気がないと確認できたことは、大きな前進です。
ぎっくり腰を繰り返しています。
繰り返すのは、きっかけではなく土台の問題であることがほとんどです。荷物を持った瞬間は引き金であって、原因は日々の肩代わりの蓄積にあります。落ち着いた時期に土台を変えることが再発を減らします。
東大阪まで通えないのですが。
大阪市内はもちろん、奈良・堺・神戸からも来院されています。頻度は初回に相談のうえ決めます。遠方の方には、ご自宅で行う工程を厚めに設計します。
スポーツ・ゴルフに戻りたい方へ
当院がもう一つ他と違うのは、痛みが取れた先を見ている点です。
一般的な整体院・整骨院のゴールは「痛みが取れること」です。それは大切ですが、体を動かす方にとっては通過点でしかありません。痛みが取れても、動けなければ意味がないからです。
腰に負担をかけない動き方は、根性や意識で作るものではありません。股関節が回り、胸椎が回り、体幹が支える——この条件が揃って初めて、腰が肩代わりせずに済みます。
つまり、腰痛の改善とパフォーマンスの改善は、同じ工程の上にあります。だから当院では、これを分けずに扱います。ゴルフについては下記の記事で詳しく書いています。
おわりに
「治らない」と感じているとき、多くの人は自分の体を疑います。歳のせいだろうか、もう手遅れなんだろうか、と。
そうではないことのほうが多い。同じ工程を繰り返してきただけです。
腰は、他の関節の肩代わりを引き受けています。肩代わりの元を動かし、腰が肩代わりしなくていい動き方に戻す。順番を変えるだけで、景色は変わります。
ご相談ください
東大阪Mitz BestPerformance(メディカルゴルフラボ)
- 所在地:大阪府東大阪市長堂1-2-20 陣内ビル2F(近鉄布施駅すぐ)
- 電話:06-7161-4593
- 対応:腰痛、坐骨神経痛、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症(術後を含む)、肩こり・首の痛み、スポーツ復帰
- 来院エリア:東大阪・大阪市内のほか、奈良・堺・神戸など府外からも来院されています
初回は評価からお受けします。どこが動いていないのか、何をどの順番で行うのかを、その場でお伝えします。
ご予約・ご相談は true-function.com から、またはお電話でどうぞ。
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著者について
鈴木密正(すずき みつまさ)
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師(国家資格3種)。PRI・DNS・機能的動作分析にもとづき、痛みの改善とパフォーマンスを同じ枠組みで扱う。臨床20年。東大阪Mitz BestPerformance 代表。
※当院は診断を行いません。器質的疾患が疑われる場合、および上記の緊急サインがある場合は、医療機関の受診を優先してください。






お電話ありがとうございます、
ファンクショナルトレーニングジムMitzでございます。