一度は治まった。痛み止めが効いて、しばらくは何ともなかった。
なのに、また来た。荷物を持ち上げた瞬間か、靴下を履こうとした前かがみか。去年と同じ場所、同じ痛み方。
手術まで受けた方もいます。それでも、またやった。
そして、こう思うようになる。もう怖くて何もできない。
先に結論をお伝えします。椎間板は「壊れた場所」です。「壊した理由」ではありません。 飛び出したものを取り除いても、そこへ圧を集め続けた動かし方が残っていれば、同じ場所がまた壊れます。
30秒で結論
- 椎間板は結果であって、原因ではありません。壊れたのは椎間板ですが、そこに毎日負担を集めていたのは体の動かし方です。ここを分けないと、何度でも同じことが起きます。
- 痛みが引いた期間は、治った期間ではありません。 ヘルニアの多くは自然に吸収されて小さくなることが報告されています(Chiu ほか, 2015, Clin Rehabil)。炎症が引けば痛みは消えます。しかし、腰の一点で曲げている体の使い方は、痛みが消えても残ったままです。症状の消失と、機能の回復は別のものです。
- 同じ椎間を何度も壊すのは偶然ではありません。 股関節から体を折れず、背中の上(胸椎)が回らず、お腹の支え(腹圧)が入らない体では、曲げとねじれを引き受けられる場所が腰の1〜2か所しか残っていません。そこに、1日数百回。
- 手術は「飛び出したもの」を取り除きます。必要な人には必要です。 ただし取り除くのは結果であって、飛び出させた動作は術後もそのまま残ります。手術の前にも後にも、評価されていない機能があります。
- 「またなるのが怖い」で固めると、次が来ます。 守るために体幹を固め、動くのをやめるほど、可動する場所が腰だけに絞られていくからです。守り方の方向が逆になっています。
- 以下がある場合は、この記事ではなくすぐ医療機関へ。尿が出にくい・漏れる、肛門やお尻の内側の感覚がおかしい、両脚の脱力、足首やつま先が上がらない、です。
この記事が答える質問
- 椎間板ヘルニアはなぜ再発するのか?
- 痛みが消えたはずなのに、また同じ場所を壊すのはなぜか?
- 手術をしたのに再発したのはなぜか?
- 再発する人としない人は、何が違うのか?
- 再発の確率はどれくらいなのか?
- コルセットは使い続けていいのか?重いものは一生持てないのか?
- 大阪・関西で相談先を選ぶとき、何を基準にすればいいのか?
- どういう症状なら、迷わず病院へ行くべきか?
まず——この症状があるならすぐ医療機関へ
以下がある場合は、相談先を探している場合ではありません。今すぐ医療機関を受診してください。
- 尿が出にくい/漏れる/出ている感覚がない
- 肛門のまわり、股のあいだ(会陰部)の感覚が鈍い、座っている感覚がない
- 両脚に力が入らない、歩けない
- 足首やつま先が上がらない、スリッパが脱げる、つま先が引っかかる(下垂足=足首を持ち上げる神経の働きが落ちた状態)
- 安静にしていても激痛が引かない、夜間に強くなる
- 発熱をともなう強い腰背部痛
最初の3つは馬尾症候群のサインです。馬尾とは、背骨の中を通る神経の束のこと。これが強く圧迫されている状態で、時間が予後を左右します。4つ目の下垂足も、麻痺が進んでいるサインです。
これらは整体・トレーニングの領域ではありません。手術の適応判断も、主治医の仕事です。 これは逃げではなく、役割分担です。
以下は、これに当てはまらない方に向けた話です。
ヘルニアは「治った」のではなく「引いた」のかもしれない
ここが、再発を繰り返す方にいちばん読んでいただきたいところです。
まず、事実から。飛び出した椎間板は、自然に小さくなることが多いと報告されています。飛び出し方のタイプによって差はありますが、大きく飛び出したものほど吸収されやすい傾向があります(Chiu ほか, 2015, Clin Rehabil 29(2):184-195)。体の免疫細胞が、はみ出した組織を「外にあるもの」として片づけていくためです。
つまり、時間が経って痛みが軽くなること自体は、珍しくありません。
問題はここからです。痛みが消えたとき、私たちは何をもって「治った」と判断しているでしょうか。痛くないこと。それだけです。
しかし、痛みが消えても残っているものがあります。
腰痛の既往がある人は、痛みが消えた後も、お腹の深い支えの筋肉(腹横筋。お腹をぐるっと腹巻きのように巻く、いちばん深い層の筋肉)の働き出しが遅れたままであることが報告されています(Hodges & Richardson, 1996, Spine 21(22):2640-2650)。健康な人では、腕や脚を動かすよりわずかに先回りしてこの筋肉が働き、体の中心を先に固めてから手足が動きます。ところが腰を痛めた人では、その先回りが失われる。痛みが消えても、失われたままなのです。
これが何を意味するか。
症状の消失と、機能の回復は、別のできごとだということです。
痛みが引いた3か月、半年、1年。その期間は、体が治った期間ではありません。支えのない状態で、同じ場所に負担を集め続けていた期間です。だから、次の一撃が来たとき、壊れるのは去年と同じ場所になります。
「調子が良かったのに、急にやった」のではありません。調子が良く見えていた期間に、次の準備が進んでいたのです。
なぜ同じ場所を何度も壊すのか
では、なぜ負担が同じ場所に集まるのか。ここが機能解剖から見たときの核心です。
人間の関節には、動くのが役割の関節と、支えるのが役割の関節があります。おおまかに、股関節と胸椎(背中の上のほうの背骨)は「動く」担当、腰椎は「支える」担当です。
とくに腰椎は、ねじれの可動域がごくわずかしかありません。構造上、大きくねじれるようにできていないのです。前に曲げる動きも、腰全体で均等に曲がるのではなく、いちばん下の1〜2か所(第4腰椎と第5腰椎のあいだ、第5腰椎と仙骨のあいだ)に集中します。ヘルニアがこの2か所に圧倒的に多いのは、ここが構造上いちばん曲げを引き受ける場所だからです。
そのうえで、「動く」担当がサボると何が起きるか。
- 股関節から体を折れない → 前かがみを、腰の丸まりだけで作る。靴下を履く、顔を洗う、床のものを拾う、車に乗り込む——このすべてが腰の曲げになる
- 胸椎が回らない・反らない → ねじる動き、反る動きを、腰が代わりに引き受ける
- 腹圧が入らない → お腹の中の圧力で体を内側から支えられず、背骨まわりの筋肉が力ずくで支える
- 足首が硬い → しゃがむときに体が後ろに落ちるため、上体を前に倒して帳尻を合わせる。その折れ目がまた腰
これを代償運動と呼びます。本来使う場所が働かないとき、別の場所が「代わりに」無理して動くことです。
外から見れば、動作は成立しています。本人も「普通に動けている」と感じています。しかし中身は別物です。支える専門の関節が、動く仕事を毎日させられている。
そしてここが決定的なところです。前かがみは、1日に何百回もやります。
顔を洗う。靴を履く。荷物を持つ。子どもを抱える。車のトランクを開ける。椅子から立つ。数えれば、意識しないまま1日に数百回。その全部が、腰の同じ1〜2か所で行われている。
椎間板は、中心にゼリー状の芯(髄核)があり、その周りをタマネギの皮のような繊維の層(線維輪)が何重にも包んでいる構造をしています。曲げとねじれが同じ場所に集中し続けると、この繊維の層が後ろ側から少しずつ傷んでいきます。ある日、荷物を持ち上げた瞬間に中身が押し出される——それが「ぎっくり腰」であり「ヘルニア」です。
荷物は引き金です。原因は、その日までの数十万回のほうにあります。
だから、荷物を持たないようにしても再発は止まりません。引き金を減らしただけで、火薬はそのままだからです。
壊れたのは椎間板。壊したのは、腰以外の場所がサボっていた体の使い方です。
手術をしても再発する人としない人の違い
手術を否定するつもりは一切ありません。麻痺が進んでいる、耐えがたい痛みが続いている、日常生活が成り立たない——そういう状態で手術は必要ですし、劇的に楽になる方もいます。適応を判断するのは主治医です。
そのうえで、事実を一つ。
手術で取り除くのは、飛び出した中身です。飛び出させた動作ではありません。
内視鏡でもレーザーでも切開でも、やっていることの本質は「はみ出して神経に当たっているものを取り除く」ことです。神経に当たっていたものがなくなるので、痛みとしびれは引きます。ここまでは、手術がやるべき仕事をきちんとやっています。
問題はその先です。手術室を出た体は、入る前と同じ動き方をします。
股関節から折れない体は、術後も股関節から折れません。胸椎が回らない体は、術後も回りません。腹圧が入らない体は、術後も入りません。つまり、同じ椎間に曲げとねじれを集中させる仕組みは、手術では取り除かれていないのです。
そのまま日常に戻れば、残った椎間板がまた押し出されます(同じ椎間での再ヘルニア)。あるいは、金属で固定する手術を受けた方の場合、固定した骨は動かなくなるぶん、その隣の関節に負担が移ります(隣接椎間障害と呼ばれます)。動く場所がさらに減れば、残った場所への集中は強まる——理屈としては、まったく同じ現象です。
では、再発する人としない人を分けているものは何か。
手術の前後で、機能が評価されたかどうかです。
術後のリハビリでは、傷の回復、歩行、日常動作への復帰が扱われます。それは必要な工程です。ただ、「股関節から折れられるか」「胸椎が回るか」「息を吐いて腹圧が入るか」を測って、それを作り直すところまで含まれていることは、あまり多くありません。
だから、こういう言い方になります。手術が失敗したのではありません。手術の前にも後にも、評価されていない機能があったのです。
当院には、手術を受けた方も、2回受けた方も来られています。腰椎をボルトで固定した方もいます。共通しているのは、腰そのものではなく、股関節と胸椎と呼吸を変えたときに景色が変わるという点です。
「またなるのが怖い」で固めると、次が来る
再発を繰り返した方に、ほぼ例外なく起きていることがあります。
動かなくなることです。
一度あの痛みを味わえば、当然です。荷物は誰かに持ってもらう。前かがみは避ける。ゴルフも旅行もやめる。腰に負担がかかりそうなことを、生活から一つずつ減らしていく。コルセットは念のため一日中巻いておく。
これを恐怖回避と呼びます。痛みが怖くて動きを避ける状態です。気持ちとしては、まったく正しい反応です。
ただ、体に起きることは逆です。
守るために固めるほど、動ける場所が減っていきます。
使わない関節は硬くなります。股関節はさらに折れなくなり、胸椎はさらに回らなくなる。お腹の支えはコルセットに外注され、自前の腹圧はますます入らなくなる。その結果、日常のわずかな動きでさえ、腰で処理するしかなくなっていく。
そして半年後、洗面台で顔を洗った瞬間に、また来ます。「たいしたことをしていないのに」と皆さんおっしゃいます。そのとおりです。たいしたことをしていない動きが腰に集中するところまで、可動する場所が減っていたのです。
実際、急性の腰痛については、安静にしているより、痛みの許す範囲で動き続けたほうが経過が良いことが繰り返し報告されています(Dahm ほか, 2010, Cochrane Database Syst Rev CD007612)。安静は、急性期のごく短い期間に限った手段です。
だから、守り方を変えてください。
守るとは、動かないことではありません。腰以外の場所が動くようにすることです。
股関節が折れれば、腰は曲がらずに済みます。胸椎が回れば、腰はねじれずに済みます。腹圧が入れば、背骨は内側から支えられます。このとき初めて、腰は「支える」という本来の仕事だけをすればよくなる。 これが、生活を狭めずに再発を減らすということです。
大阪・関西で相談先を探すときの、選択肢の違い
「椎間板ヘルニア 大阪」で検索すると、大量に出てきます。ただ、役割がまったく違うものが同じ画面に並んでいます。ここを分けて考えると、遠回りが減ります。
| 相談先 | 向いているケース | 向いていないケース | 保険 | 期待できること |
|---|---|---|---|---|
| 整形外科 | 診断がついていない/麻痺・しびれが進む/手術の要否を決めたい | 診断がつき、緊急性がなく、動作を変えたい段階 | 適用 | 画像検査・神経学的検査による診断、投薬、手術の適応判断 |
| ペインクリニック | 痛みが強くて日常が回らない/神経ブロックで急性期を越えたい | 痛みが落ち着いた後の再発予防 | 適用 | 神経ブロック注射などによる痛みの遮断。動ける状態を取り戻す足がかり |
| 整骨院・接骨院 | 急性の外傷 | 慢性化・繰り返しているヘルニア | 外傷は適用、慢性は原則自費 | 施術による緊張の緩和。中身は院によって大きく異なる |
| 整体・カイロ・マッサージ | 筋緊張が強く、まず緩めたい時期 | 緩めるだけで終わる場合。再発予防としては工程が足りない | 適用外 | 一時的な可動域の改善と緊張の緩和。ただし「その場で楽、数日で戻る」が最も多い |
| 医療機関のリハビリ | 術後・急性期直後の回復 | 期間終了後の再発予防(多くは通院期間に上限がある) | 適用 | 傷の回復、歩行と日常動作への復帰 |
| 評価にもとづく機能改善(当院) | 痛みは落ち着いたのに繰り返す/手術後も同じ動きが残っている | 診断がまだ/緊急サインがある(医療機関が先) | 適用外 | どこが動かず、どこが肩代わりしているかの評価と、動作の作り直し |
選び方の目安:まだ診断を受けていないなら整形外科が先です。診断がついていて、緊急サインがなく、それでも繰り返しているなら、「評価をしてくれるか」「痛みが引いた後の工程があるか」——この2点で選んでください。この2つが無い施術は、痛みが引くのを早めることはできても、次の再発は止められません。
念のため申し添えると、当院は診断を行いません。画像検査もできません。 医療機関との役割分担が前提です。
実際に何を診るのか
当院では、腰を触る前に体を評価します。順番はこうです。
- 関節が動くか(可動域) ── 股関節(曲がるか、後ろに伸びるか、内側に回るか)、胸椎(回るか、反れるか)、足関節、肩甲帯。動く担当がサボっていないかを測ります
- 支えられるか(安定性) ── 腹圧が入るか、片脚で立てるか、体幹が支持できるか。ここでは息を吐いたときにお腹と脇腹が締まるかを見ます。息が吸えても吐けない人は、腹圧が作れません
- 順番通りに働くか(連動) ── 地面から順に力が伝わるか、どこで途切れるか。動き出しより先に体幹が働いているか(先回りの支え)も含みます
- その人の日常動作のどこに出ているか ── 靴下を履く、床のものを拾う、車から降りる。再発の引き金になった動作を、実際にやってもらいます
そのうえで、動かない場所を動かし、支えられる状態を作ってから、動作に戻します。
順番が肝心です。硬いまま鍛えれば、代償運動ごと強くなります。緩めただけで動作に戻さなければ、体は元の(腰で曲げる)やり方を選び直します。この2つが、再発を繰り返してきた方が今まで通ってきた道です。
その場でできるセルフチェック
再発の土台があるかどうか、目安になるチェックを3つ挙げます。痛みやしびれが走ったら、その時点で止めてください。
① 股関節から折れているか(ヒップヒンジ)
壁に背を向けて、かかとを壁から拳ひとつ分だけ離して立ちます。手を鼠径部(脚の付け根の溝)に当て、背中をまっすぐに保ったまま、お尻を後ろへ突き出して壁に触れにいきます。
- お尻が壁に届く。折れ目は脚の付け根にある → 股関節から折れています
- 膝が前に出る/背中が丸まる/お尻が壁に届かない → 股関節から折れていません
折れていない方は、日常のすべての前かがみを腰の丸まりで作っています。ここが再発の最大の土台です。
② 胸椎が回るか
四つ這いになり、片手を後頭部に添えます。骨盤とお尻を動かさないまま、肘を天井へ向けて上体をひねります。肘が真上を向くくらい(およそ45度以上)回りますか。
- 途中で止まる、骨盤が一緒に転がる → 胸椎が回っていません。ねじる動きを腰が引き受けています
③ 息を吐いて、腹圧が入るか
仰向けで膝を立て、両手を脇腹(肋骨の下、腰骨の上)に当てます。息を吸ってお腹と脇腹をふくらませ、その後ゆっくり長く吐き切ります。
- 吐き切った位置で、脇腹に軽い張りが残り、手を押し返す感じがある → 腹圧が作れています
- 吐くと同時にお腹がぺしゃんこになり、張りが消える → 腹圧が抜けています。天然のコルセットが働いていません
腹圧は、力めば入るものではありません。肋骨(フタにあたる横隔膜)と骨盤(底にあたる骨盤底筋)が上下で向き合った位置に骨格が揃って初めて、空気が横や上へ逃げずに圧が保てます。骨格の位置が崩れていると、どれだけ力んでも芯はできません。
3つのうち一つでも当てはまるなら、腰そのものより先に見るべき場所があります。
遠方(奈良・堺・神戸・京都)から通われている方へ
東大阪の院には、奈良・堺・神戸・京都など府外からも来院されています。
ヘルニアの再発で遠方から来られる方に共通しているのは、「痛みが引くまでは診てもらえたが、その先の工程を一度も通っていない」という点です。痛みが出るたびに同じ施術を受け、引いたら終わり。次にやるまでの空白期間に、何をすればいいのかを誰からも聞いていない。だから、また同じ場所を壊す。
初回は評価から始めます。どこが動いていないのか、どの動作が引き金を作っているのかをお伝えし、通う頻度もそこで一緒に決めます。遠方の方には、ご自宅で行う工程を厚めに設計します。
よくある質問(FAQ)
椎間板ヘルニアの再発の確率はどれくらいですか?
手術後に同じ椎間で再びヘルニアが起きる割合は、報告によって数%から十数%まで幅があります。ただ、その数字はあなたの再発率ではありません。統計は「同じ動作を続けた人」と「動作を変えた人」を混ぜて平均したものだからです。確率を見るより、自分の股関節が折れるか、胸椎が回るか、腹圧が入るかを見てください。そこが分かれ目です。
コルセットは使い続けていいのですか?
急性期の数日から数週間は有効です。ただし、常用は勧めません。コルセットは外から腹圧の代わりをする道具です。痛みが強い時期に体を支える手段としては優秀ですが、長く巻き続けると支える仕事を外注した状態が続き、自前の腹圧はますます入らなくなります。痛みが引いたら、外していく方向で設計します。外すのが不安な段階なら、それは腹圧が作れていないという評価結果として扱います。
重いものは一生持てないのですか?
持てます。問題は重さではなく、どこで折れて持ち上げているかです。股関節から折れて、腹圧で体幹を固めて持ち上げれば、腰の椎間板にかかる圧は大きく変わります。逆に、股関節が折れないまま背中を丸めて持てば、5キロの荷物でも同じ場所に圧が集まります。「重いものを持たない生活」は、再発予防ではなく生活の縮小です。持てる体の作り方を覚えるほうが、はるかに現実的です。
痛みが再発したら、まず何をすべきですか?
まず、緊急サインの確認です。尿の出にくさ、股のあいだの感覚異常、両脚の脱力、足首が上がらない——これらがあれば、その場で医療機関へ。ありませんか。それなら、寝込まないことです。痛みの許す範囲で日常を続けたほうが経過が良いことは、繰り返し報告されています(Dahm ほか, 2010)。痛みの出ない姿勢と、出る姿勢を確かめてください。前かがみで悪化するのか、反らすと悪化するのか。その情報が、次に相談するときの最重要の材料になります。
また MRI を撮るべきでしょうか?
症状の出方が前回と同じで、麻痺やしびれが進んでいないなら、撮り直しても打つ手はあまり変わりません。撮るべきなのは、①脱力やしびれが進んでいる ②痛みの質や場所が前回と明らかに違う ③手術後で、これまでと違う症状が出た、のいずれかです。そして忘れないでいただきたいのは、画像に写るのは構造であって、動きは写らないということ。「股関節が折れていない」「腹圧が抜けている」は、MRIには一生写りません。繰り返す理由は、画像の外にあります。
手術を受けたほうがいいのでしょうか?
適応を判断するのは主治医です。そのうえで申し上げると、麻痺が進んでいる、耐えがたい痛みが続く、日常が成り立たないという状態であれば、手術は選ぶべき手段です。当院はその判断を止める立場にありません。お伝えしているのは、手術をするにしてもしないにしても、飛び出させた動作は別途扱う必要があるということだけです。術後に来られている方も、術前に来られている方もいます。
どのくらいの期間で元の生活に戻れますか?
痛みが引くまでと、繰り返さない体になるまでは、別のタイムラインです。急性期の強い痛みは数週間で落ち着くことが多く、可動域の制限が主であれば初回で変化を体感される方が大勢います。一方、動作として定着するまでは、体の状態と日常の負荷によって変わります。1日数百回の前かがみを書き換える作業だからです。初回評価のあとに、見通しをお伝えします。
ぎっくり腰を繰り返しているのですが、これもヘルニアですか?
必ずしもヘルニアとは限りませんが、繰り返す仕組みは同じです。ぎっくり腰は、荷物を持った瞬間や振り向いた瞬間に起きるので「その動作が原因」と思われがちですが、その瞬間は引き金であって、原因は日々の肩代わりの蓄積です。何度もやる方は、股関節・胸椎・腹圧のどこかが必ず抜けています。落ち着いている時期に土台を変えることが、次を減らす唯一の方法です。
東大阪まで通えないのですが。
大阪市内はもちろん、奈良・堺・神戸・京都からも来院されています。頻度は初回に相談のうえ決めます。遠方の方には、ご自宅で行う工程を厚めに設計します。
スポーツ・ゴルフをされる方へ
ゴルフをされる方は、ここまでの話がそのまま当てはまります。スイングは、股関節の回旋と胸椎の回旋で作る動作だからです。この2つが出ない方は、腰でねじって振っています。つまり、ヘルニアが再発する条件と、飛ばない・振り遅れる条件は、同じ体の使い方から来ています。
だから当院では、痛みの改善とパフォーマンスの改善を分けずに扱います。腰の手術を2回受けた70代の競技ゴルファーが、股関節と胸椎と呼吸を作り直して手術前より飛距離が伸び、ハーフ30台で回れるようになった例もあります。ゴルフについては下記の記事で詳しく書いています。
おわりに
再発を繰り返していると、多くの方は自分の体を疑います。もともと弱い腰なんだろう、もう歳だから、手術までしたのにダメだった、と。
そうではないことのほうが多い。壊れた場所だけを見て、壊した理由を一度も見ていない——それだけです。
椎間板は、負担が集まった場所です。集めていたのは、腰以外の場所がサボっていた体の使い方です。そこを動かして、腰が肩代わりしなくていい形に戻す。 順番を変えるだけで、景色は変わります。
「またなるのが怖い」まま生活を狭めていくのか。腰以外が動く体に作り直して、持ちたいものを持てる状態に戻すのか。 選べます。
ご相談ください
東大阪Mitz BestPerformance(メディカルゴルフラボ)
- 所在地:大阪府東大阪市長堂1-2-20 陣内ビル2F(近鉄布施駅すぐ)
- 電話:06-7161-4593
- 対応:椎間板ヘルニア(再発・術後を含む)、脊柱管狭窄症、腰痛、坐骨神経痛、ぎっくり腰の反復、肩こり・首の痛み、スポーツ復帰
- 来院エリア:東大阪・大阪市内のほか、奈良・堺・神戸・京都など府外からも来院されています
初回は評価からお受けします。どこが動いていないのか、どの動作が引き金を作っているのか、何をどの順番で行うのかを、その場でお伝えします。
ご予約・ご相談は true-function.com から、またはお電話でどうぞ。
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参考文献
- Chiu CC, et al. The probability of spontaneous regression of lumbar herniated disc: a systematic review. Clin Rehabil. 2015;29(2):184-195. doi:10.1177/0269215514540919
- Hodges PW, Richardson CA. Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain. Spine. 1996;21(22):2640-2650. PMID:8961451
- Dahm KT, et al. Advice to rest in bed versus advice to stay active for acute low-back pain and sciatica. Cochrane Database Syst Rev. 2010;(6):CD007612. PMID:20556780
著者について
鈴木密正(すずき みつまさ)
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師(国家資格3種)。PRI・DNS・機能的動作分析にもとづき、痛みの改善とパフォーマンスを同じ枠組みで扱う。臨床20年。東大阪Mitz BestPerformance 代表。
※当院は診断を行いません。器質的疾患が疑われる場合、および上記の緊急サインがある場合は、医療機関の受診を優先してください。手術の適応判断は主治医にご相談ください。






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