足底腱膜炎(足底筋膜炎)が治らない方へ|大阪・東大阪で「朝の一歩目の激痛」が何ヶ月も続く理由

朝、ベッドから降りた最初の一歩。かかとに、釘を踏んだような痛みが走る。

何歩か歩けばマシになる。だから「治りかけかな」と思う。でも次の朝、また同じ痛みが待っている。

インソールを作った。湿布も貼った。ストレッチも言われたとおりやった。体外衝撃波も受けた。それで半年、あるいは一年。なぜ、足の裏だけがこんなに治らないのか。

先に結論をお伝えします。足裏が壊れているのではありません。足裏が、他の場所の代わりに引き伸ばされているのです。

30秒で結論

  • 足底腱膜は、かかとの骨から足指の付け根へ扇状に張った分厚い膜です。土踏まずを弓の弦のように支えています。長引く足底腱膜炎で傷んでいるのは、その膜の、かかと側の付け根です。
  • ここが傷むのは、膜そのものが弱いからではなく、着地のたびに強く引き伸ばされているからです。引っ張っている犯人は上流にいます。ふくらはぎとアキレス腱の硬さ・足首が曲がらないこと・親指が反らないこと・股関節が伸びないこと——この四つです。
  • とくに足首の背屈制限(つま先を上に向けられないこと)は、足底腱膜炎の危険因子として最も大きいことが分かっています。背屈が0度未満の人は、10度以上ある人に比べて危険が約23倍という報告があります(Riddle ら 2003年)。
  • 朝の一歩目が痛いのには理由があります。夜のあいだ、足首は自然とつま先が下を向いた状態になり、足底腱膜は縮んだ長さのまま修復が進みます。朝、そこに全体重が乗って一気に引き伸ばされ、修復したばかりのつながりがまた剥がされる。これが第一歩の激痛の正体です。
  • だからインソールは「支える」であって「変える」ではありません。支えている間は楽になりますが、支えられている足は仕事を覚えません。外せば戻ります。使うなとは言いません。外すまでの期間に、上流を変えられるかどうかが分かれ目です。
  • 体外衝撃波も注射も否定しません。傷んだ組織そのものへの手当てとして意味があります。ただし引っ張っている力を評価しないまま受ければ、修復した場所にまた同じ張力がかかります。再発は「効かなかった」のではなく、蛇口が開いたままだった、という話です。

この記事が答える質問

  • 足底腱膜炎が何ヶ月も治らないのはなぜか?
  • なぜ、朝の一歩目がいちばん痛いのか?
  • 足底腱膜炎は何科に行けばいいのか?
  • ストレッチをしているのに効かないのはなぜか?
  • インソールは作るべきか。作れば治るのか?
  • 体外衝撃波は受けるべきか。受けたのに戻ったのはなぜか?
  • 歩いてもいいのか。ゴルフボールで転がすのは効くのか?
  • 大阪・関西で相談先を選ぶとき、何を基準にすればいいのか?

まず——この症状があるならすぐ医療機関へ

以下に当てはまる場合は、施術先を探している場合ではありません。先に医療機関を受診してください。これは防衛線ではなく、役割分担の話です。診断ができるのは医師だけです。

  • 転んだ・ひねった・ジャンプの着地などのあと、急に歩けなくなった。「ブチッ」という音や感覚があった → 足底腱膜の断裂の可能性があります。
  • 休んでいても痛む。夜、寝ていても痛む。日を追って悪化している踵骨(かかとの骨)の疲労骨折の可能性があります。急に走る距離を増やした方、跳ぶ競技の方は特に。
  • かかとが腫れている。熱を持っている。赤い。熱がある → 感染や炎症性の病気を先に除外する必要があります。
  • 両足が同時に痛くなった。手指や膝など他の関節も痛む。朝のこわばりが30分以上続く → 関節リウマチや強直性脊椎炎など、付着部に炎症が起きるタイプの病気が隠れていることがあります。若い方で腰も痛む場合は特に。
  • しびれる。ピリピリする。焼けるような感じがある → 足底腱膜炎ではなく足根管症候群(内くるぶしの後ろを通る神経が締めつけられる状態)などの神経の問題であることがあります。足底腱膜炎と最も間違われやすい相手です。
  • 糖尿病があり、足に傷や皮膚の変化がある

以下は、これらに当てはまらない方に向けた話です。

足底腱膜炎は何科に行けばいいのか

整形外科です。足の外来やフットケア外来があればなお良いですが、まずは整形外科で構いません。

整形外科で得られるものは、はっきりしています。

  • レントゲン——疲労骨折やその他の骨の異常を除外できます。
  • 超音波(エコー)——足底腱膜の厚みを実際に測れます。健康な状態ではおよそ3〜4ミリ。傷んでいると厚くなります。痛みの場所と組織の状態を、目で確認できるのは大きな価値です。
  • 診断名がつくこと——これが最も重要です。名前がつかないまま施術を受けるのは、地図なしで歩くのと同じです。

「踵骨棘があります」と言われた方へ

レントゲンで、かかとの骨から前へ出っ張った小さな棘が見つかることがあります。踵骨棘(しょうこつきょく)です。「これが刺さって痛いんですね」と受け取る方が多いのですが、そう単純ではありません。

痛みのない人にも踵骨棘は普通に見つかります。逆に、激痛でも棘がない人がいます。棘は、その場所が長いあいだ引っ張られ続けてきた痕跡であって、痛みの発生源とは限らないのです。

これは大事な視点です。引っ張られ続けた結果として骨が反応するほど、その場所には長期間、余計な張力がかかっていた。では、誰が引っ張っていたのか。ここから先が、この記事の本題です。

足裏は被害者——引っ張っているのはふくらはぎと股関節

ここが機能解剖から見たときの核心です。

足底腱膜は、かかとの骨(踵骨)から始まり、5本の足指の付け根へ扇のように広がる、分厚くて丈夫な膜です。役割は、土踏まずが潰れないよう弓の弦のように張って支えること。つまり、もともと引っ張られるためにある組織です。

問題は、引っ張られる量です。日常の範囲を超えた張力が、一歩ごとに、一日何千歩とかかり続ければ、付け根は音を上げます。

では、その余分な張力はどこから来るのか。四つあります。

① ふくらはぎとアキレス腱が硬い

アキレス腱と足底腱膜は、かかとの骨をはさんで一本につながっています。解剖学的にも、アキレス腱の張力が上がると足底腱膜にかかる張力も上がることが確認されています(Carlson ら 2000年)。

ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋=ふくらはぎの表層と深層の筋肉)が硬いと、アキレス腱が引っ張られ、その力がかかとを乗り越えてそのまま足裏へ流れ込みます

足裏をいくら緩めても、ふくらはぎが硬いままなら、明日また同じ力で引っ張られます。

② 足首が曲がらない(背屈制限)

歩くとき、かかとが地面についてから体が前へ進む間、すねの骨は足首の上を前へ倒れていきます。これが背屈です。ここでおよそ10度以上の背屈が要ります。

足首がそれだけ曲がらないと、体は前に進めません。でも進まないわけにはいかない。そこで体は別の方法で帳尻を合わせます

  • 土踏まずを潰す——足の内側を落として、そのぶん体を前に運ぶ。土踏まずが落ちれば、それを支えている足底腱膜はそのまま伸ばされます
  • かかとを早く上げる——足首で稼げないぶん、早めにかかとを浮かせて前足部(指の付け根側)に乗り換える。前足部に乗っている時間が長くなり、足裏の張力が持続します。

外から見れば、普通に歩けています。本人も何も感じていません。しかし足裏の中では、一歩ごとに余計な仕事が発生している。

背屈制限が足底腱膜炎の最大の危険因子として繰り返し報告されているのは、この機序があるからです。

③ 親指が反らない(第1趾の付け根の制限)

これは知られていませんが、決定的です。

蹴り出しの瞬間、親指が反る(背屈する)と、足底腱膜が巻き取られて土踏まずが持ち上がり、足全体が硬い一本のテコに変わります。糸巻きに糸が巻かれてピンと張るのと同じ動きなので、ウィンドラス機構(巻き上げ機の意味)と呼ばれます。

この巻き取りが起きれば、足は硬い板になって効率よく地面を押せます。起きなければ、足は柔らかい袋のまま。柔らかいものを地面に押しつけたらどうなるか。中の膜がねじれて伸びます。

親指の付け根(第1趾MTP関節=足の親指の付け根の関節)が硬い方は非常に多い。外反母趾のある方、指が浮いている方は特にです。

④ 股関節が伸びない

最後がここです。足の話に股関節が出てくることに驚かれるかもしれませんが、歩行という動作の中では直結しています。

歩くとき、後ろに残した脚の股関節は伸びます。この伸びで体を前へ運びます。ところが股関節の前側(腸腰筋=お腹の奥から太ももの付け根へ走る筋肉)が硬く、お尻の筋肉(大殿筋)が働いていないと、股関節が伸びません。

すると重心が後ろに残ります。体を前へ運ぶ仕事を、誰かが肩代わりしなければならない。その肩代わり先が、ふくらはぎと足裏です。

股関節が伸びない人は、一歩ごとに足首と足裏で余計に押しています。一日8000歩なら、8000回です。

まとめると

足底腱膜は、加害者ではなく被害者であることがほとんどです。

痛いのは足裏。しかし引っ張っているのは、ふくらはぎであり、足首であり、親指であり、股関節です。

だから足裏だけを何度ほぐしても、上流が変わらない限り、翌朝また同じ引っ張りが再開します。

床を拭いても、蛇口が開いたままなら翌日また濡れています。何ヶ月拭いても同じです。

なぜ朝の一歩目がいちばん痛いのか

ここは、多くの方が最も知りたいところです。そしてこの仕組みが分かると、朝にやるべきことが変わります。

夜のあいだに何が起きているか

眠っているとき、足首は自然とつま先が下を向いた状態(底屈位)になります。布団の重みもあり、ほとんどの方がこの姿勢で一晩を過ごします。

このとき、足底腱膜は縮んだ長さです。そして体は、その縮んだ長さのまま、傷んだ付け根を修復しようとします。

修復といっても、きれいに元通りになるわけではありません。傷んだ線維のあいだに、仮の橋を架けるような、まだ弱い修復です。しかもその橋は、「短い状態」を前提に架けられます。

朝、その橋が落ちる

目が覚めて、ベッドから足を下ろす。体重が乗る。土踏まずが沈む。

足底腱膜は、一気に本来の長さ以上に引き伸ばされます。

短い状態で架けられた仮の橋は、この伸張に耐えられません。剥がれます。

あの、釘を踏んだような、刺すような痛み。あれは「炎症が朝に強い」のではなく、夜のあいだに進んだ修復が、朝の一歩で物理的に引き剥がされている痛みです。

数歩でマシになる理由

歩いているうちに組織が徐々に伸びて長さに馴染むので、痛みは引いていきます。これがこの症状のいちばん有名な特徴です。

そして同じことが、日中にも起きます。デスクワークで長く座ったあと、立ち上がった一歩目。車を運転して降りた一歩目。動かない時間が続くと、また縮んで固まり、次の荷重で剥がされる。

「朝と、座ったあとが痛い」——これが足底腱膜炎の典型です。

だから「起きる前」が効く

ここが実践的に最も価値のある部分です。

痛みの正体が「縮んだ状態に急に体重を乗せること」なら、乗せる前に長さを戻せばいい。

ベッドの上で、体重をかける前に。足首をゆっくり上下に動かす。足の指をゆっくり反らせる。タオルを足裏にかけて、膝を伸ばしたまま手前へ引く。ふくらはぎと足裏に、ゆっくり長さを思い出させてから、床に降りる。

これだけで朝の一歩目が変わる方は珍しくありません。痛みが減るのではなく、剥がされる回数が減るからです。

夜間装具(ナイトスプリント)が有効とされているのも、まったく同じ理屈です。足首を反った位置で固定し、そもそも縮ませない。装具を使う使わないは別として、原理はここにあります。

ただし——これは対症です。朝の剥離を減らしても、日中に引っ張っている四つの元が残っていれば、傷は増え続けます。だからここで終わらせてはいけない。

ストレッチとインソールで足りない理由

「言われたとおりストレッチをしている。インソールも作った。それでも戻る」——この段階の方が、当院にはいちばん多く来られます。

どちらも間違っていません。足りないのです。

ストレッチが効かないのではなく、定着していない

ふくらはぎのストレッチ、そして足底腱膜そのものを狙ったストレッチ(座って足を組み、手で足指を反らせる方法)には、有効性を示す報告があります(DiGiovanni ら 2003年・2006年)。やる価値はあります。

問題は二つあります。

ひとつめ。伸ばしても、歩き方が変わらなければ元に戻る。

ストレッチで得られるのは「一時的に長さが増えた状態」です。その長さを、歩くという動作の中で実際に使わなければ、体は数時間で元の使い方に戻ります。伸ばした直後にその可動域を使う動作(片脚で立つ、そこから体重を前へ送る、親指の付け根まで乗せて蹴る)を通していないと、体は覚えません。

伸ばす作業と、使えるようにする作業は、別の工程です。

ふたつめ。多くの方の壁ストレッチは、足首を伸ばしていません。

壁に手をついて後ろ足のかかとを床につけ、前へ倒れる——あのストレッチ。よく見ると、多くの方はつま先が外を向き、土踏まずが内側へ潰れています

これは足首(距腿関節)で背屈しているのではなく、足の中(距骨下関節)を潰して背屈しているように見せている状態です。つまり、ふくらはぎは伸びておらず、むしろ足底腱膜のほうを引き伸ばしている

痛い場所を、良かれと思って毎日引っ張っていた——という方が、実際にいます。

インソールは「支える」であって「変える」ではない

インソールは有効です。土踏まずを外から支えれば、足底腱膜にかかる張力は実際に減ります。痛みが強い時期には、迷わず使っていい。

ただし、性質を正確に理解しておく必要があります。

支えている間、足は自分で支える仕事をしていません。

土踏まずを吊り上げているのは、本来は後脛骨筋(内くるぶしの後ろを通って土踏まずへ入る筋肉)や、足の裏にある小さな筋肉たち(内在筋)です。外から支えられている間、これらは出番を失います。

だから、外せば元に戻ります。足が仕事を覚えていないからです。

これは、松葉杖に似ています。折れているあいだ松葉杖は必要です。しかし松葉杖をつき続けることが目的ではない。

正しい使い方はこうです。痛みが強い時期はインソールで張力を下げる。その期間に、上流(ふくらはぎ・足首・親指・股関節)を変えて、足が自分で支えられる状態を作る。そして外していく。

インソールを「一生の相棒」にするか「一時的な松葉杖」にするかは、その期間に何をしたかで決まります。

体外衝撃波・注射について

体外衝撃波は、慢性化した足底腱膜炎に対して有効性が報告されている、まっとうな治療です。否定しません。

原理は、変性して修復が止まってしまった組織に刺激を入れ、修復反応をもう一度立ち上げることです。理にかなっています。

ステロイド注射も、痛みが強い時期には強力です。ただし繰り返せば足底腱膜そのものが断裂するリスク、かかとの脂肪のクッションが痩せるリスクが報告されています。何度も打つ選択は慎重であるべきです。

そして、両方に共通する限界があります。

当てているのも、打っているのも、「引っ張られて傷んだ場所」です。「引っ張っている力」ではありません。

衝撃波で修復が進んでも、翌日からまた同じ張力が同じ場所にかかれば、傷は同じように増えます。衝撃波を受けて一度良くなり、数ヶ月後にまた戻って来られた方を、当院では何人も診ています。

これは「衝撃波が効かなかった」のではありません。蛇口を閉めないまま、床を張り替えただけだったのです。

大阪・関西で相談先を探すときの選択肢の違い

「足底腱膜炎 大阪」で検索すると大量に出てきますが、役割がまったく違うものが同じ画面に並んでいます。分けて考えると遠回りが減ります。

相談先 向いているケース 向いていないケース 保険 期待できること
整形外科 まだ診断がついていない/外傷後/腫れ・熱感・夜間痛がある/疲労骨折や断裂を除外したい 診断がつき「様子を見ましょう」で数ヶ月止まっている状態 適用 診断、レントゲン・エコー、投薬、注射、体外衝撃波(実施施設)、装具の処方
整骨院・接骨院 急性の外傷/まず痛みを下げたい 何ヶ月も続いている慢性の足底腱膜炎 外傷は適用。慢性は原則自費 局所の緊張緩和、物理療法
鍼灸 痛みが強く触られるのもつらい時期/局所の血流を上げたい 単独で完結させようとする場合 原則自費 痛みの緩和、緊張の低下。緩んだ状態は動作を作り直す好条件になる
整体・マッサージ・リラクゼーション 足裏やふくらはぎの張りを楽にしたい 「その場で楽になるが数日で戻る」を繰り返している 自費 一時的な緊張の緩和、可動域の一時的改善
インソール専門(義肢装具士・フットケア) 荷重時の痛みが強い時期/扁平足・開張足で構造的な支えが要る 支えるだけで終わる場合/上流の評価を省く場合 医師の処方があれば療養費の対象になる場合あり。市販は自費 腱膜にかかる張力を外から下げる。荷重時痛の軽減
評価にもとづく機能改善(当院) 何ヶ月も戻り続けている/衝撃波や注射のあとにまた戻った/走る・歩く・スポーツに戻りたい 診断がまだついていない/上記の緊急サインがある 自費 引っ張っている元を特定し、足が自分で支えられる状態へ作り直す

補足を二つ。

整骨院・接骨院の保険——足底腱膜炎のような慢性の症状は、多くの場合、保険の対象になりません。実際には自費の施術を組み合わせる形になります。院によって中身が大きく違うので、「何を評価して、何をするのか」を最初に聞いてください。

インソール専門——腕のいい装具士さんが作るインソールは本当に良いものです。ただし装具は支えるための道具であって、上流を変える工程ではありません。両方が必要です。片方だけで終わると、外せない足が残ります。

選び方の目安:まだ診断を受けていないなら整形外科が先です。診断がついていて、緊急サインがなく、それでも戻り続けているなら——「足裏以外を評価してくれるか」「緩めた後に、歩き方を作り直す工程があるか」。この2点で選んでください。足裏だけを見る施術は、また戻ります。

実際に何を診るのか

当院では、足裏を触る前に、足以外を評価します。順番はこうです。

1. 足首は曲がるか(背屈)
すねの骨が足首の上を前へ倒れるか。何度倒れるか。左右差はあるか。そしてそれが本物の背屈か、土踏まずを潰したごまかしかを見ます。ここを見分けないと、評価そのものが意味を持ちません。

2. 親指は反るか(第1趾の付け根)
蹴り出しで巻き取りが起きる条件があるか。反らせたときに、足首や土踏まずが一緒に逃げないか。

3. ふくらはぎはどこが硬いか
腓腹筋(膝をまたぐ表層の筋肉)なのか、ヒラメ筋(膝をまたがない深層の筋肉)なのか。膝を伸ばした時と曲げた時で背屈の出方が変わるかで分けます。どちらが硬いかで、やることが変わります。

4. 股関節は伸びるか。お尻は働くか
歩くときに股関節が伸びているか。伸びていないなら、前側が硬いのか、お尻が働いていないのか。ここが足裏の負担量を直接決めます。

5. 支えられるか(片脚での安定)
片脚で立ったとき、土踏まずが落ちないか、内くるぶしが内へ倒れないか、膝が内に入らないか、骨盤が落ちないか。支える仕事を足底腱膜が肩代わりしていないかを見ます。

6. その人の実際の歩き方・走り方のどこに出ているか

そのうえで、動かない場所を動かし、支えられる状態を作ってから、歩き方に戻します。

順番が肝心です。硬いまま足裏を鍛えれば、ごまかしごと強くなります。緩めただけで歩き方に戻さなければ、体は元のやり方を選び直します。

その場でできるセルフチェック

ご自宅で今すぐできる目安を3つ挙げます。

① 足首は曲がるか(壁を使ったチェック)

壁の前に立ち、片足のつま先を壁から10センチ離します。かかとを床につけたまま、その足の膝を前へ出して壁に当ててください。

  • 膝が壁につく → 背屈はおおむね足りています。
  • かかとが浮く/膝が壁に届かない → 背屈制限があります。
  • 膝が内側へ逃げる/土踏まずが潰れて壁に届く → これは足首ではなく、足の中で誤魔化しています。制限ありと判断してください。

左右で差があれば、痛い側に制限があることがほとんどです。

② 親指は反るか

椅子に座り、足裏を床につけたまま、手で親指だけを上へ反らせます。付け根から60度以上反りますか。

  • 硬くて止まる、あるいは反らせようとすると足首や土踏まずが一緒に動いてしまう → 巻き取り(ウィンドラス機構)が使えていません。蹴り出しのたびに、足裏がねじれて引き伸ばされています。

③ 片脚で立って、土踏まずが潰れないか

鏡の前で、痛い側の片脚立ちを30秒。

  • 土踏まずが落ちてくる/内くるぶしが内側へ倒れる/膝が内に入る/骨盤が反対側へ落ちる

どれかが起きるなら、支える仕事が足りていません。足りない支えを、足底腱膜が引き受けています。

どれか一つでも当てはまるなら、足裏より先に見るべき場所があります。

遠方から来られる方へ

東大阪の院には、大阪市内のほか、奈良・堺・神戸・京都からも来院されています。

足の症状で遠方から来られる方に共通しているのは、「近所で何ヶ月も通ったが、足裏しか診てもらえなかった」という点です。ほぐして、電気を当てて、インソールを勧められて、また来週。それを半年続けてきた、という方が本当に多い。

初回は評価から始めます。どこが引っ張っているのかを、その場で足首・親指・ふくらはぎ・股関節から特定してお伝えします。通う頻度もそこで一緒に決めます。遠方の方には、ご自宅で行う工程を厚めに設計します。朝の一歩目への対処は、その日から始められます。

よくある質問

痛いですが、歩いてもいいですか?

歩いてください。安静だけでは組織は強くなりません。歩かない期間が長引くほど、ふくらはぎは硬くなり、足は支える力を失います。

判断の基準はひとつです。翌朝の一歩目が、前日より悪化していないか。悪化していなければ、その日の量は適切です。悪化したなら少し減らす。痛みをこらえて距離を伸ばすのは逆効果ですが、痛いから動かないのも逆効果です。

ゴルフボールで足裏を転がすのは効きますか?

一時的に楽にはなります。ただし、押しているのは引っ張られている側です。

とくに、いちばん痛いかかとの前あたり(付け根)を強く押し込むのは避けてください。修復しかけの組織を毎日潰すことになります。

やるなら、土踏まずの中央を軽く、痛みが出ない圧で。冷たいペットボトルを転がすのも良いです。そして必ずセットで、ふくらはぎ・足首・親指・股関節をやってください。足裏だけで終わるなら、やらないのと大差ありません。

体外衝撃波は受けるべきですか?

受けていい治療です。慢性化した足底腱膜炎に対して有効性が報告されています。

ただし、受ける前に確かめてください。「なぜここが引っ張られているのか」を評価してもらえましたか。その評価がないまま受けると、修復した場所に翌日からまた同じ張力がかかります。

いちばん良いのは、衝撃波を受ける時期に、並行して上流を変えることです。組織が回復に向かうタイミングで張力が下がれば、条件は最も良くなります。

インソールは作るべきですか?

痛みが強い時期なら作っていいです。張力が下がって、歩ける量が増えます。歩ける量が増えることには意味があります。

ただし「作ったから治る」ではありません。インソールは支えであって、変える工程ではない。外せる足に戻すための時間稼ぎとして使ってください。

作るなら、既製品でも構いません。土踏まずが支えられ、かかとにクッションがあるものを。合わなければ装具士さんに作ってもらう選択もあります。

ストレッチは毎日やっていますが効きません。

理由は二つ考えられます。ひとつは、伸ばした長さを歩き方の中で使っていないこと。もうひとつは、そのストレッチで足首が伸びていないことです。

壁ストレッチでつま先が外を向き、土踏まずが潰れていると、ふくらはぎは伸びず、むしろ足裏を引き伸ばしています。つま先をまっすぐ前に向け、土踏まずを保ったままやってください。それだけで手応えが変わる方がいます。

何ヶ月で変わりますか?

「足底腱膜炎は数ヶ月から一年かかる」とよく言われます。あれは、原因に触れずに経過を待った場合の数字です。

引っ張っている元が特定できれば、朝の一歩目の変化は早い段階で感じられる方が多いです。剥がされる量が減るからです。そこから歩き方として定着させるところは、生活の負荷と体の状態で変わります。初回の評価のあとに見通しをお伝えします。

サンダルや裸足はダメですか?

時期によります。

痛みが強い時期に、フローリングを裸足で歩く、ぺたんこのビーチサンダルで長時間歩く——これは負担が大きい。とくにビーチサンダルは、脱げないように足指で掴み続けるので、足裏が働きっぱなしになります。この時期は、クッションがあり、かかとが少し高い靴のほうが楽です。

ただし一生クッションに頼れという意味ではありません。足が仕事を取り戻したあとの裸足は、足裏の小さな筋肉にとって良い刺激です。順番の問題です。

踵骨棘があると言われました。取らないと治りませんか?

多くの場合、棘を取る必要はありません。痛みのない人にも踵骨棘は普通に見つかりますし、棘があるまま痛みが消える方もいます。

棘は「その場所が長く引っ張られてきた記録」です。記録を消すより、引っ張るのをやめるほうが先です。

両足とも痛いのですが。

片側だけより、両側同時のほうが注意が要ります。左右そろって症状が出る背景には、全身に関わる要因があることがあるからです。

とくに、他の関節も痛む・朝のこわばりが30分以上続く・若い方で腰にも痛みがある——この場合は、付着部に炎症が起きるタイプの病気を先に除外してください。整形外科でその旨を伝えて相談することをお勧めします。

該当しない場合は、両足とも同じ機序(背屈制限・親指・股関節)で起きていることがほとんどです。


スポーツ・ゴルフをされる方へ

当院がもう一つ他と違うのは、痛みが取れた先を見ている点です。

足底腱膜炎で来られた方の多くは、走りたい、歩きたい、コースを回りたい。痛みが取れても、動けなければ意味がない。

そして面白いことに、足底腱膜炎の改善に必要な条件——足首が曲がる、親指が反る、股関節が伸びる、片脚で支えられる——は、そのままスポーツパフォーマンスの条件と同じです。地面を踏んで力を返すために必要なものが、全部ここに入っています。

つまり、足底腱膜炎の改善とパフォーマンスの改善は、同じ工程の上にあります。だから当院では、これを分けずに扱います。ゴルフについては下記の記事で詳しく書いています。

おわりに

「足の裏だけが、どうしてこんなに治らないのか」

そう感じているとき、多くの方は足裏を疑います。もっとほぐさないと。もっと良いインソールを探さないと。もっと強い治療を受けないと。

足裏は、悪くありません。引っ張られているだけです。

ふくらはぎ、足首、親指、股関節。この四つのどれかが仕事をしていない分を、足底腱膜が一歩ごとに肩代わりしています。肩代わりの元を動かせば、足裏は引っ張られなくなります。

順番を変えるだけで、朝の景色は変わります。

ご相談ください

東大阪Mitz BestPerformance(メディカルゴルフラボ)

  • 所在地:大阪府東大阪市長堂1-2-20 陣内ビル2F(近鉄布施駅すぐ)
  • 電話:06-7161-4593
  • 対応:足底腱膜炎、アキレス腱周囲の痛み、外反母趾、膝の痛み、腰痛、坐骨神経痛、スポーツ復帰
  • 来院エリア:東大阪・大阪市内のほか、奈良・堺・神戸・京都など府外からも来院されています

初回は評価からお受けします。どこが足裏を引っ張っているのか、何をどの順番で行うのかを、その場でお伝えします。

ご予約・ご相談は true-function.com から、またはお電話でどうぞ。

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著者について

鈴木密正(すずき みつまさ)

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師(国家資格3種)。PRI・DNS・機能的動作分析にもとづき、痛みの改善とパフォーマンスを同じ枠組みで扱う。臨床20年。東大阪Mitz BestPerformance 代表。

※当院は診断を行いません。器質的疾患が疑われる場合、および上記の緊急受診サインがある場合は、医療機関の受診を優先してください。

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