スライスの原因は腕の使い方の勘違い
ゴルフスイングでスライスに悩む人の多くが、
「腕の使い方」を意識しすぎて逆にフォームを崩しています。
レッスンでよくあるアドバイス──
「もっと腕を真下に下ろせ」
「手を体の近くに下ろせ」
「クラブをストンと落とすように」
一見シンプルでわかりやすそうな指導ですが、実はこの意識こそがアウトサイドインを悪化させる最大の原因です。
腕を下ろそうとするほど、スイングは外から入る
スライスを直そうと「腕を下ろす」意識を強くすると、胸の前側(大胸筋や小胸筋など)の筋肉が緊張します。
すると、背中側(広背筋・僧帽筋下部・菱形筋など)が働かず、肩甲骨が前に引っ張られる状態になります。
この「胸で振る」フォームは、クラブを外側に引き上げて下ろす動きになりやすく、結果としてアウトサイドインの軌道を生み出します。
インパクト時にはフェースが開き、ボールはスライス。
それを抑えようと手で返そうとして、今度は引っかけ。
フォームも球筋も安定しない悪循環が始まります。
さらにこの動きは、胸の前だけで力を出すため、腰や首への負担も大きく、ラウンド後に腰痛や肩の張りを訴えるケースも多いです。
機能解剖的に見た腕の本当の使い方
ここで大事なのは、「腕=肘から先」ではないということです。
ゴルフスイングにおける“腕の動き”とは、実は肩甲胸郭関節(肩甲骨+肋骨+背骨)を含めた動きを指します。
つまり、腕を動かすためには肩甲骨が背骨と連動してスライド・回旋することが前提。
この連動がないまま腕を動かそうとすると、必ず外側にズレてしまうのです。
アウトサイドインを直すために必要なのは「腕を正しい位置に下ろすこと」ではなく、
背中と肩甲骨を動かすことによって、腕が正しい位置に導かれるようにすることです。
✅ 背中で腕を動かす感覚を身につける
スライスを根本から直したいなら、腕を意識するのをやめて「背中で腕を動かす」感覚を取り戻す必要があります。
そのためにおすすめなのが、簡単な肩甲骨アクティベーションドリルです。
背中と肩甲骨を目覚めさせるエクササイズ
1️⃣ 左手を遠く前に伸ばし、指先を見ながら大きく後ろへ回す。
肘のシワを外向きに(外旋)するようにして、肩甲骨の回旋を誘導します。
2️⃣ 目線を常に指先へ。
目線の動きが反射的に背中の回旋筋(広背筋・僧帽筋・菱形筋など)を活性化し、自然と肩甲骨が後方へ引き下がります。
3️⃣ 背中が収縮する・胸が伸びる感覚があればOK。
腕ではなく背中が動いている証拠です。
4️⃣ 立っても座ってもOK。
右側も同様に行い、左右5回ずつ。右肩が前に出やすい人は右を多めに。
体感できる変化
この動きを繰り返すと、次第に肩甲骨がスムーズに動き、
アドレスでの胸の緊張が抜け、背中が自然に使えるようになります。
背中が働くと、ダウンスイングで腕が勝手に下りてくる感覚が出てきます。
つまり、「下ろそうとしなくても下りてくる」状態。
これが本来のインサイドからの軌道です。
背中の回旋が導くスイングでは、
・ヘッドが自然にインから入る
・フェースが閉じすぎずにボールを捕まえられる
・腰のねじれ負担が減る
という理想的な結果が得られます。
よくある失敗パターン
・「腕を下ろす」意識が強すぎて、胸の前が硬くなる
・肩を回そうとして、背中ではなく腰をねじる
・体幹が抜けて、肩だけで回ろうとする
これらはすべて、背中の連動が抜けた状態です。
背中を使えば使うほど、スイングは“楽に大きく”なります。
腕を下ろすのではなく、背中で導く
スライスの原因は腕の使い方ではなく、背中の使い方の欠如にあります。
腕を下ろそうとするほど胸が硬くなり、アウトサイドインが強まる。
逆に、背中が動けば腕は自然に下りてきて、インサイドからクラブが下りるようになります。
つまり、
「腕を動かす」のではなく、「背中が腕を動かす」。
この感覚を掴めば、スライスも腰痛も一気に消えます。
練習前の3分間、肩甲骨を回すだけでも効果は絶大です。
ぜひ一度、クラブを持たずに背中の動きを目覚めさせてからスイングしてみてください。
球筋の安定感、そして身体の軽さがまったく違って感じられるはずです。
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