そのベタ足が腰痛の原因?ペットボトルの罠と足首の真実

そのベタ足が腰痛の原因?ペットボトルの罠と足首の真実

プロのようなベタ足スイングに憧れて、右かかとの外にペットボトルを置き、それを倒さないように必死に足裏を地面に張り付けていませんか?

最近、メディカルゴルフラボには「ベタ足の練習を始めてから腰や足が痛くなった」というゴルファーが連発して来られています。診察してみると、彼らの多くが「どないなっとんねん」と言いたくなるような、神経痛を誘発しかねないスイングに陥っていました。

実は、形だけを真似した「動かないベタ足」は、股関節のロックを招き、その代償として腰を激しく反らせる、非常に危険な「腰痛・神経痛誘発スイング」の原因になります。

今回は、体の機能(バイオメカニクス)の観点から、なぜあなたのベタ足練習が痛みを呼ぶのか、そして「本当のベタ足」を作るための足首の秘密について徹底解説します。

1. 巷にはびこる「ベタ足」の大きな誤解

ゴルフ雑誌やYouTubeでよく見かける「ペットボトルを倒さないベタ足」のドリル。本来の目的は、切り返しからインパクトにかけて右かかとが浮き上がるのを抑え、下半身の粘りによって飛距離と方向性を安定させることにあります。

しかし、多くのゴルファーがこの練習で陥る罠が「足裏全体を地面に接着剤で貼ったかのように固定してしまう」ことです。

足裏をガチガチに固めると、足首の関節も同時にロックされます。すると、下半身の回転の起点となるべき場所が動かなくなり、その上にある股関節までもが回らなくなってしまうのです。これが「動かないベタ足」の正体です。

2. 股関節がロックされると腰が「代償」を払う

人間が体を回転させる際、股関節が回らなくなると、身体はどこか別の場所を動かして「回転のような動き」を作ろうとします。これを医学用語で「代償動作」と呼びます。

ベタ足を意識しすぎて股関節がロックされた状態では、本来回るべきではない「腰の骨(腰椎)」に過剰な負担がかかります。さらに、右の骨盤が逃げ場を失って前(ボール方向)に突っ込んでくるため、腰は無理やり「反らされる(過進展)」状態になります。

これが、いわゆる「腰がソリソリの姿勢」です。この状態でスイングを繰り返せば、腰椎の間のクッションが潰れたり、神経が圧迫されたりして、深刻な腰痛や坐骨神経痛を引き起こすのは時間の問題です。

3. 「本当のベタ足」を支える足首の骨:距骨(きょこつ)

では、ベタ足に見えるプロたちは、なぜあんなにスムーズに腰を痛めず回れるのでしょうか? その答えは「足首の中の動き」にあります。

鍵を握るのは、かかととスネの骨の間にある「距骨(きょこつ)」という小さな骨です。この骨は、足首の回転や傾きを制御するターミナルのような役割を果たしています。

正しいスイングの切り返しでは、この距骨が「内側にクルッと転がる(回内)」という動きをします。この距骨のわずかな動きがスイッチとなり、連動して右の股関節が内側にはまり(内旋)、骨盤がスムーズに回転し始めます。

つまり、外見上は「かかとが浮いていない(ベタ足)」ように見えても、靴の中では足首の骨がダイナミックに動き、股関節を誘導しているのです。これが身体の機能を活かした、本当の意味でのベタ足スイングです。

4. 実践!腰痛を防ぎながら機能を獲得する3ステップ

形から入るのではなく、まず「足首から股関節への連動」を身体に覚え込ませる必要があります。以下のドリルで自分の機能を確認し、再起動させていきましょう。

手順1:足首の「距骨」スイッチを確認する

まずはクラブを持たずに、ゴルフのアドレスの姿勢をとります。 右足の土踏まず側に意識を向け、かかとを地面につけたまま、足首をほんのわずかに内側へ「倒す」ように動かしてみてください。これが距骨の動きです。このとき、足の指をグーにするのではなく、リラックスさせることが重要です。

手順2:股関節への「連鎖」を体感する

足首を内側に倒すと同時に、右の股関節が「スッ」と内側に引き込まれる感覚があるか確認してください。 足首が正しく動けば、無理に力を入れなくても骨盤は勝手に左方向へ回り始めます。もしこの時、腰に違和感があったり、骨盤が前に突き出たりする場合は、足首のスイッチが入っていません。

手順3:お腹の引き込みと連動させる

足首と股関節が連動し始めたら、そこにお腹(腹圧)の力を加えます。下腹を少し凹ませるように意識しながら、足首の動きを起点に回ってみましょう。 体幹が安定していれば、右のかかとはペットボトルを蹴ることなく地面に残ります。これは「無理やり止めている」のではなく、効率よく回転した結果として「残っている」状態です。

5. 形だけの練習は、上達どころか選手生命を縮める

もし、あなたが足首の柔軟性や連動機能がないまま、無理やりペットボトルを置いてベタ足を作ろうとしているなら、今すぐその練習を止めてください。

機能が伴わない「形」の強制は、ゴルフのスイングを壊すだけでなく、あなたの日常生活を支える大切な腰を破壊してしまいます。

大切なのは、「ベタ足に見えるかどうか」ではありません。「足首の距骨から股関節、そして体幹へと回転の連鎖がつながっているか」です。この連動ができれば、かかとは自然なタイミングで、必要な分だけ地面に残るようになります。

6. まとめ。ベタ足は「足首」から始まる

世の中の「形だけ」のレッスンに惑わされないでください。

・足裏を完全に固定する「ガチガチのベタ足」は腰痛の元凶。 ・足首の「距骨」が動かないと、股関節はロックされる。 ・股関節が回らない代償で腰が反り、神経痛を誘発する。 ・本当のベタ足は、足首の連動によって生まれる「結果」である。

まずは自分の足首が、靴の中で自由自在に動けるかチェックしてみてください。足首という土台が整えば、腰への負担は劇的に減り、同時に下半身の粘りが生む力強いインパクトが手に入ります。

メディカルゴルフラボは、あなたが身体の構造を無視した練習で遠回りすることを防ぎ、10年後も20年後も元気に飛距離を伸ばし続けられるスイング構築を全力でサポートします。

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