前傾キープは意識の問題ではない。起き上がりを物理的に防ぐ「骨格の最適解」
ダウンスイングで前傾を保とうと必死に意識しているのに、結局インパクトで体が浮き上がってしまう。レッスンで「体を倒して回るだけ」と言われてもできないのは、根性が足りないからでも、意識が低いからでもありません。
それは、あなたの肋骨が「物理的に上がって固まっている」という、骨格の問題です。
今回は、メディカルゴルフラボの視点から、呼吸や筋膜の影響でロックされた肋骨を解放し、自然と前傾がキープされる身体へと導く「骨格の最適解」を解説します。
1. 肋骨が上がれば、お腹は力むことができない
前傾キープができるかどうかの大前提は、スイング中に肋骨が下を向いたまま回旋できるか、にかかっています。
本来、肋骨が正しい位置にあれば、回転動作の中で腹斜筋などの「お腹の筋肉」が自然に収縮し、上体を支えてくれます。しかし、日頃のストレスや浅い呼吸によって肋骨が上方向に突き出たまま固まっている(リブフレアの状態)と、胸骨(胸の真ん中の骨)を下に向けられません。
この状態では、お腹の筋肉にスイッチが入らないため、いくら前傾しようとしても、固まった筋膜に引っ張られて物理的に起き上がるしかなくなってしまうのです。
2. 間違ったセルフケアが「軸ブレ」を加速させる
「筋膜リリースが良い」と聞いて、適当に胸の周りを揉みほぐしている方は注意が必要です。実は、触る方向を間違えると、かえって起き上がりをひどくしてしまう可能性があります。
例えば、肋骨を上に引き上げるように触ってしまうと、肋骨はさらに前に突っ込み、軸ブレと起き上がりを助長します。正しい方向、正しい深さでアプローチして初めて、骨格はスイングに適したポジションへと収められます。
3. 実践。肋骨を下げて前傾を自動化する「胸骨リリース」
肋骨の間の詰まりを取り、胸骨を下に向けやすくするためのドリルです。
手順1:肋骨の間の硬さをチェック 鎖骨の下から、胸骨(胸の真ん中)のキワの部分に指を置きます。みぞおちに向かって斜め下の方向に指を沈ませ、息を吐きながら肋骨と肋骨の間の溝を「縦に」コロコロと動かしてみてください。ここが痛い、あるいは肋骨がゴツゴツと出っ張っている人は、前傾キープが難しい状態です。
手順2:アドレス姿勢でリリースをかける アドレスの姿勢をとり、先ほどの肋骨のキワに指を置きます。そこから斜め下に向かって皮膚と筋膜を滑らせるように軽く押さえてください。
手順3:胸骨を下に向けたまま回転する 指で斜め下へのテンションをかけたまま、胸の真ん中の骨(胸骨)が地面を向いたままの状態をキープして、左右に小さく回転します。
これにより、上がっていた肋骨が下がり、胸の背骨に自然な湾曲が生まれます。このポジションに入ると、お腹に力が入りやすくなり、頭の位置を変えずにその場で回る感覚が掴めるはずです。
4. 骨格が整えば、前傾は「勝手に」維持される
このリリースによって「骨格の最適解」が得られると、今まであんなに苦労していた前傾キープが、驚くほど楽に感じられます。
筋肉の力で無理やり抑え込むのではなく、骨格が正しい位置にあるからこそ、回転動作がスムーズになり、懐の深いスイングへと繋がります。これが、物理的に起き上がれない身体の作り方です。
5. まとめ。意識を変える前に「骨」の位置を変える
前傾キープができない自分を責めるのは、今日で終わりにしましょう。
-
起き上がりの原因は、意識不足ではなく「上がって固まった肋骨」。
-
肋骨が下がらない限り、お腹の筋肉は一生スイングで機能しない。
-
正しい方向への筋膜アプローチが、物理的な前傾キープを可能にする。
まずは自分の肋骨のキワを触ってみてください。そこが緩み、胸骨が下を向けば、あなたのスイングは別人のように安定します。
メディカルゴルフラボは、あなたが形を追う練習から卒業し、骨格から上達を掴み取るための「骨格の最適解」をこれからも提案し続けます。
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