骨盤がスウェーする人の共通点 股関節の内旋ができないと軸はブレる

骨盤がスウェーする人の共通点

股関節の内旋ができないと軸はブレる

■スイング中に骨盤が横に流れる人、実は「股関節が動いていない」

スイングをしていると、骨盤が左右にスライドしてしまう
いわゆる「スウェー」。

「腰が流れる」「軸がブレる」「インパクトが安定しない」
こうした悩みを持つゴルファーは本当に多いです。

レッスンで「その場で回れ」「腰を止めて回せ」と言われても、
実際にやってみると体が止まったり、逆に手打ちになったり…。

なぜ意識してもスウェーが直らないのか?
その共通点は、股関節の内旋(うちねじり)ができていないことにあります。

■骨盤スウェーの正体は「股関節と骨盤が一緒に動く」こと

本来、スイング中の骨盤はその場で回転し、
下半身が安定することで軸が保たれます。

ところが、股関節が正しく働かない人は、
太ももの骨(大腿骨)と骨盤が“ひと塊”になって一緒に動いてしまう。

すると、骨盤は横方向にスライドし、
骨盤が動いているようで、実際は股関節が動いていないという現象が起こります。

これがスウェーの本質です。
いくらフォームを意識しても、根本的な股関節の機能が欠けていればスウェーは止まりません。

■「ストレッチしてるのに柔らかくならない」その落とし穴

「先生、股関節のストレッチはちゃんとやってるんですけど!」
メディカルゴルフラボでもそう仰る方も多いですが、残念ながらその多くは間違った動かし方です。

一見、太ももがしっかり動いているように見えても、
実際には骨盤ごと浮き上がって腰が反っているだけ。

この動きでは、
股関節の可動域は増えず、腰椎(腰の骨)が動いているだけになります。
柔らかくなった気がしても、それは腰が代償しているだけです。

結果的に、

  • 腰が反る
  • 骨盤が流れる
  • スイング軸がズレる
    という悪循環を生み出します。

■正しい条件:「体幹を安定させて股関節を内旋させる」

骨盤のスウェーを止めるために必要なのは、
骨盤を動かさずに太ももの骨だけを内ねじりに動かすこと。

この「股関節の内旋」は、

  • 体幹が安定している
  • 骨盤がブレずに太ももの骨だけが動く
    この2つの条件がそろって初めて成立します。

体幹が抜けた状態で脚を動かしても、
腰が反り、骨盤ごと動いてしまうため意味がありません。
逆に言えば、体幹を安定させながら太ももの骨を内旋させることで、
骨盤はその場で回転できるようになります。

■正しい“股関節内旋ストレッチ”の方法

ここで、スウェー改善に直結する簡単な方法を紹介します。
この動きを正しく行うだけで、股関節が支点として機能し始めます。

▶ ステップ①:セットポジション

仰向けに寝て、両膝を立てます。
みぞおちの後ろ、腰の後ろを軽く丸めてOK。
胸をなでおろすように背中を少し丸め、お腹を軽く引き込みます。

▶ ステップ②:太ももの骨を内ねじり

お腹を引き込んだまま、片方の膝を反対の足で押すようにして内に倒します。
骨盤を動かさず、太もものつけ根から動かす意識を持ちましょう。

お尻が1〜2cmほど浮くのはOKですが、
3〜4cm以上持ち上がる場合は骨盤が一緒に動いているNGパターンです。

▶ ステップ③:感覚のチェック

太ももの骨だけが内側に回り、骨盤が浮かない感覚をつかみます。
お尻の奥やもも裏の深い部分が伸びている感じが出れば正解。
逆に、腰や太ももの前側が張る場合は、まだ体幹が抜けています。

■この動きで得られる変化

  • 骨盤がその場で回るようになる
  • スイング軸が安定し、スウェーが減る
  • 体幹が締まり、反り腰・腰痛の改善にも効果的
  • 下半身主導のスムーズな回転が身につく

小さな動きに見えても、
「動かす」ではなく「支える」筋肉が働くのがこのストレッチの本質です。

■まとめ|スウェーを止める意識ではなく支える構造で直す

スウェーを止めようと腰を固めても、根本は変わりません。
必要なのは、止める意識ではなく支える機能。

股関節の内旋と体幹の安定が入れば、
骨盤は自然にその場で回転し、スウェーは起こらなくなります。

股関節を動かせる体が、軸のブレないスイングを作る。
これが、身体のプロが伝える「スウェーしないスイング」の真実です。

ファンクショナルトレーニングジムMitz