前傾が崩れる本当の原因はハムストリングの機能不全

前傾が崩れる本当の原因はハムストリングの機能不全

❌ 前傾を「背中や骨盤の形」で作ろうとしても、必ず崩れる

多くのゴルファーが前傾キープに悩んでいます。
レッスンでもよくあるのが、

  • 「骨盤をもっと後ろに引いて」
  • 「前傾をキープして」
  • 「体を起き上がらないように」

といった“形の指導。

しかし、この意識だけで前傾が安定することはありません。
実際に振ってみると──

  • 右腰が前に出る
  • ダウンで体が起き上がる
  • ダブルトップ・プッシュアウトが連発
  • 右の腰やお尻が痛くなる

こうした症状が起こるのは、姿勢の問題ではなく筋機能の問題だからです。

結論から言えば、
前傾が崩れる本当の原因は 「ハムストリング(太もも裏)が機能していない」=機能不全 にあります。

ハムストリングは“前傾を守る骨盤ブレーキ”

スイング中に骨盤は前へ滑りやすく、
特に切り返し〜インパクトにかけて“前突”が起こりやすいのは自然な反応です。

この際、
骨盤が前に突っ込むのを止めるブレーキが ハムストリングス

ハムストリングが働くと

  • 骨盤が前方へ滑らず
  • 前傾角度が維持され
  • 右腰が突っ込まない
  • 股関節に乗ったまま回旋できる
  • 腰への負担が激減

つまり、
前傾キープはハムストリングの仕事
であり、骨盤を“形で引く”意識では絶対に安定しません。

❌ ハムストリングが機能不全だとどうなる?

右腰が前に突っ込む人の多くは、
右ハムストリングが正常に働いていません。

すると次のようなエラーが起こります

 エラー1:腰で支えようとする

背中や腰を固めて前傾を作ろうとし、
腰椎伸展が強くなり腰が痛くなる。

 エラー2:右膝が外へ逃げる

膝主導の動きが増え、股関節への荷重が消失。

 エラー3:骨盤が前に滑り出す

ハムのブレーキがないため、
腰が前へ突っ込む「右腰前進エラー」が発生。

 エラー4:起き上がり(アーリーエクステンション)

骨盤が前へ出た瞬間、
体はバランスを取ろうとして上体が起きる。

これらはすべて ハムストリングの機能不全が生む連鎖反応 です。

 まずはチェック:あなたのハムストリングは働いている?

以下のセルフテストで簡単に判別できます

ハムストリング機能チェック

1️⃣ 仰向けになり、右膝を立てる
2️⃣ 左足はまっすぐ伸ばす
3️⃣ 右かかとを床に押しつけながらお尻を上げる

 太もも裏(ハムストリング)にしっかり力が入れば正常

しかし、

  • 腰が反る
  • 右膝が外へ逃げる
  • 腰に力が入る
  • お尻の横ばかり疲れる
  • 痛みが出る

これらがある場合は ハムストリングが機能低下している証拠

改善法:骨盤ブレーキを復活させる

もっとも効果的な修正ドリルはこれ

1️⃣ 右膝を立て、左足を伸ばす
2️⃣ おへそを軽く引き込む(腹圧セット)
3️⃣ 坐骨(骨盤の底)が軽く下を向くように調整
4️⃣ 右かかとを床に押してお尻を上げる
5️⃣ 太もも裏に負荷が入った状態で3秒キープ

ポイント

  • 腰を反らない
  • 右膝を外に逃がさない
  • お尻を締めすぎない

正しくできると、
「骨盤が前に滑らない支点」が体にインプットされます。

補助バリエーション

  • お尻の下にタオル or 枕を挟む
  • 膝にボールを挟んで内転筋と連動
  • 骨盤の動きが安定しやすくなる

 なぜこれで前傾が安定するのか?

ハムストリングが働く=骨盤が前に出ない。
骨盤が前に出ない=股関節に乗ったまま回れる。

結果として、

  • 前傾角度が保たれる
  • 右腰の突っ込みが消える
  • 体の起き上がりが消える
  • スイング軌道が安定
  • 腰の負担も大幅に減る

そして何より、
前傾キープを意識しなくても前傾が崩れない身体になる。

これは「姿勢矯正」ではなく、
機能改善だからこそ再現性が高い のです。

 まとめ

前傾が崩れるのは、骨盤の角度でもアドレスの形でもなく──
ハムストリングの機能不全が本当の原因。

ハムストリングが働けば、
骨盤のブレーキが復活し、
前傾は“つくるもの”ではなく“守られるもの”になります。

形ではなく、機能を変える。
それが前傾キープの唯一の正解です。

左右差がある人は弱い側がスイングエラーを作りやすいので、
ぜひチェック&強化を継続して、安定した前傾と再現性のあるスイングを手に入れてください。

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